※ コメントくださっているかたがた、返信が遅れてしまっていてすみません。できるだけ過去にさかのぼってちゃんとお返事したいと思っています。 ※
今回はブランク後のリハビリ的(?)な更新ということで、軽めの雑学記事です。私が妊娠中に出会った、子供にまつわる詩・歌をひとつずつご紹介したいと思います。お子さんをお持ちの方ならじんわりくること間違いなしです。
一つ目は"A Touch Of Love"という、作者不詳の詩です。
A Touch Of Love You were six months old and full of fun, There were so many things we were going to do, At two, you were very dependent on me, Your third birthday; another year I tried to ignore, Four was the year that you really strived. Now you are ready for books and for rules. The big day came, you were anxious to go. As you climbed aboard and waved good-bye, Time goes so fast it's hard to believe And tomorrow when the bus brings you home and you jump to the ground So I'm holding to these moments as hard as I can, - Author Unknown (拙訳)ほのかな愛情 六カ月の赤ちゃんで、笑いを振りまいていたあなた 一緒にいろんなことを楽しむはずの一年だったのに 二つのあなたは私に甘えっぱなし 三つのお誕生日、もう一年はこのままでと願ったが 四つのあなたは驚くほどの成長ぶり 今やあなたは本と規則を受け入れる準備ができた ついにその日がやってきて、あなたは不安でいっぱいだった あなたがバスのステップに足をかけ、私にさよならと手を振る時 時間はなんと早く流れ そして明日バスがあなたを連れ帰り、あなたが地面に飛び降りたとき だからこそ、私はこの一瞬一瞬を握りしめとどめておこうとするのだ |
「五歳で学校?」と思われるかも知れませんが、これはいわゆる小学校(elementary school)ではなく、その前にある kindergarten を指しています。日本では kindergarten というと「幼稚園」で義務教育の枠からは外れていますが、アメリカの義務教育はこの kindergarten から始まるとされています。高等教育までの基礎的教育は K-12 (K to twelve) という言い方で大学以上(higher education)と区別され、教育改革(ちょうどオバマ政権が取り組もうとしているような)がいわれるときは、たいていこの K-12 が対象となります。
「キャップとガウン」は、もちろん卒業式(commencement)の象徴ですね。余談ですが、個人的にこの commencement という言葉が非常に好きです。commencement の元となっている動詞 commence には、「...を始める、開始する」という意味があります。ある一つのステージを終え、そこで得たものを糧に次のステージへ向かう、その区切りの儀式、という前向きな姿勢を感じさせる言葉だと思います。
さて、もう一つご紹介したいのは、ミュージカル『Mamma Mia』にも使われていた、ABBA の "Slipping Through My Fingers" です。「私の知らぬ間に娘は大きくなっていた」「ともにいたあの貴重な時間をただぼんやりと過ごしてしまった」「彼女をこのまま永遠に失ってしまう気がする」という、子供の成長とともに大きくなる喪失感を歌い上げています。メロディーも美しく、何度も聞きたくなる曲です。
"Slipping Through My Fingers"
※ 動画が表示されない場合は、以下のリンクから直接 youtube のページに飛んでご鑑賞ください。
http://www.youtube.com/watch?v=TJ2hoghGh24
Slipping Through My Fingers(歌詞一部抜粋) Schoolbag in hand, she leaves home in the early morning Slipping through my fingers all the time (拙訳) 学校鞄を片手に彼女は朝早く家を出る いつも私の指の間をすり抜けてゆく |
どちらも、子供の成長と自立を喜びつつも、寂しさを否定できない、万国共通の親の感傷を表現しきっているいい詩ですよね。こんな詩を読むと、寝かしつけでかかる三時間も、抱っこのしすぎで腕がしびれた一時間も、貴重なものに感じます。まあ、そういいつつもトイレで一人になると、ほっとするわけですが(笑)
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■ 感謝祭(Thanksgiving)の起源と現在のお祭り
感謝祭(Thanksgiving)は、収穫シーズンに行われる北米のお祭りです。アメリカでは、11月の第4木曜日と規定されているため、日にちは毎年変わります。この日から新年までを、一般にホリデーシーズン(holiday season)と呼び、国中がにぎやかな雰囲気に包まれます。
感謝祭の起源は、アメリカへの入植の始まりにさかのぼります。スペイン、イギリスなどさまざまなヨーロッパの国々から大西洋を越えてやってきた入植者たちは、新天地での一年の無事と大地の恵みを神に感謝し、祝いの宴を設けました。そして、1614年現在のヴァージニア州にあるバークレープランテーション(Berkeley Plantation)にて、公式に記録に残っている最初の感謝祭が祝われたと伝えられています。
感謝祭の典型的なイメージは、イギリスからの入植者がネイティブ・アメリカンの人々に七面鳥などをふるまっている光景ですが、これはマサチューセッツ州のプリマス(Plymouths)で行われたといわれる感謝祭の様子だそうです。プリマスでは、入植者の人々が冬を越すための生活の知恵をネイティブ・アメリカンに学び、その感謝の印に宴を開いたといわれています。(こちらのほうを最初の感謝祭として記憶しているアメリカ人も多いです。)
感謝祭は、一年で最大の家族のイベント、日本でいうとお正月にあたります。この時期の飛行機は帰省の人々で最も混雑します。
感謝祭のシンボル、七面鳥は感謝祭の前日ホワイトハウスで主役となります。2羽の七面鳥が『大統領の恩赦(presidential pardoning)』を受け、ごちそうのテーブルにあがらずに平和な農場で余生を過ごすことを許されるのです。この式典の様子はテレビ中継され、大統領夫妻が(若干おびえつつ)七面鳥に恩赦を与えている様子を見ることができます。この習慣は、リンカーンのときからともトルーマンのときからとも言われています。ちなみに、2008 年の今年は "Pumpkin" と "Pecan" と名付けられた二匹が恩赦を受けました。
■ 感謝祭の食卓
感謝祭の食卓と言えば、やっぱり七面鳥の丸焼きですよね。
私は、二年前に友人と「せっかくアメリカにいるのだから」と、七面鳥の丸焼きに挑戦してみました。七面鳥のお腹に詰めるスタッフィングは、パン粉にクランベリー、野菜、コーンブレッドなど様々ですが、こちらは日本人らしくご飯を詰めてみました。
それでは、七面鳥の下ごしらえの様子からどうぞ。
Whole Foods で予約していた七面鳥。小さいのを買うつもりが、13 パウンド(約 6 キログラム)のものが手渡されました。あれ…
皮と身の間に、フレッシュハーブと塩をまんべんなくまぶしていきます。後ろに転がっているのは、七面鳥の首です。切り落とされてキレイに掃除されたお腹の中に入っていました。ちょっとシュールですね。
スタッフィングは、キノコたっぷりのリゾットです。
オーブンで約4時間ほどローストします。大きすぎるので、中にある棚は全部はずしました。
焼きあがったところ。足にフリルの飾りもつけてみました。
七面鳥の以外の定番メニューは、甘いパイ(アップルパイ、パンプキンパイ、ペカンパイなど)、アップルサイダー(濃いめのアプルジュースみたいな飲み物)、クランベリージャム(七面鳥につけながら食べる)、マッシュポテト、グリーンビーンズの付け合わせなど。
七面鳥は普通の鶏の三回りはある大きさなので、一晩で食べきることは至難の業です。そんなわけで、この時期のお料理番組には、七面鳥の残り(leftover)を利用したレシピがよく紹介されています。私は、ポットパイ(シチューにパイ皮をかぶせて焼いたもの)や、鳥雑炊などにして楽しみました。
ちなみに、南部では七面鳥を専用のフライヤーで丸揚げにする Deep Fried Turkey が、伝統的な料理方法だそうです。ただこのフライヤー、事故も多いそうで、毎年感謝祭の翌日にはフライヤーによる火事のニュースが流されます。
"How to deep fry a Thanksgiving turkey"
■ 年一回の大セール『Black Friday』
感謝祭から新年までは、Holiday Season として最も商業的に活気づく時期ですが、中でも感謝祭翌日は Black Friday と呼ばれ、多くの小売店が一年に一回の大セールを行います。この日だけは、朝6時などの早朝に開く店が多く、お目当ての商品を手に入れるために2時や3時から人々が列を作り始めます。朝8時頃には、ほとんどの商品が売り切れ、売り場は閑散としてしまう、短期集中決戦のセールなのです。(どれくらい安いかというと、私の友人は大型プラズマテレビをたった $800で手に入れました…。)
■ 映画『アダムズファミリー・2』の劇中劇
映画『アダムズ・ファミリー2(原題:The Addams Family Values)』は、不気味な一家が主役(かつヒーロー)のブラックコメディで、映画『アダムズ・ファミリー(原題:The Addams Family)』の続編にあたります。もともとは、雑誌 The New Yorker に 1938 年から連載されていた一コマ漫画で、その後テレビ、映画への進出を果たしました。また、2009年にはブロードウェイでのミュージカル化が予定されているそうです。
この映画の中には、サマーキャンプの最終日に子供たちが感謝祭をテーマにした劇を上演する、という劇中劇のシーンがあります。
入植者(pilgrim)たちがネイティブ・アメリカンたちを友好の証に宴に招く、という感謝祭のシンボル的な有名な場面が、ブラックユーモアたっぷりの映画らしく、入植者の偽善者ぶりを際立たせるように描かれています。(入植者たちを演じるのは、キャンプでもいい子ぶりっ子のスノビッシュな子供たちで、一方のネイティブ・アメリカンたちは Addams 一家の Wednesday たちのような個性豊かな「外れ者」が演じる、という配役が効果的です。)
入植者の少女演じる Sarah Miller の偏見・差別がてんこ盛りのセリフと、Wednesday のクールな切り捨てっぷりをお楽しみください。
"The Play" ("The Addams Family Values" より)
以下は、セリフの一部抜粋です。
Pilgrim Girl (played by Sarah Miller):
Remember, these savages are our guests. We would not be surprised at any of their strange customs. After all, they have not had our advantages, such as fine schools, libraries, full of books, ...shampoo.
(聞いて、あの野蛮人たちは私たちのお客様よ。彼らのヘンテコな習慣に驚いたりしてはだめよ。何と言っても、彼らには私たちが持っている優れたものを持っていなかったんですもの。たとえば、ちゃんとした学校や図書館、たくさんの本、それにシャンプーなんか。)
Pilgrim Girl (played by Sarah Miller):
What a thoughtful gift! Why, you are civilized as we, except we wear shoes and have last names. Welcome to our table, our new primitive friends.
(なんて素敵な贈り物なんでしょう。まあ、あなた方は私たちみたいに文化的なんですね。私たちは、靴を履いているし、名字も持っていますけど。私たちの宴へようこそ、新しい未開人のお友達。)
Pocahontas (played by Wednesday Addams):
Wait. We cannot break bread with you. You have taken our land, which was rightfully ours. Years from now, my people will be forced to live in mobile homes on reservations. Your people will wear cardigans and drink highballs. We will sell bracelets by the road sides. And you will enjoy golf and eat hot hors d'oeuvres. My people will have pain and degradations. Your people will have stick shifts. The Gods of my tribe have spoken. Do not trust pilgrims, ... especially Sarah Miller. ...And for all of these reasons I have decided to scalp you and burn your village to the ground.
(待って。私たちは、あなたたちにごちそうになるわけにはいかない。あなた方は、私たちが正当な所有権を持っている土地を奪った。今日から何年も後には、私の民は保留地のトレーラーハウスに住むことを強いられるだろう。その一方で、あなた方は、カーディガンを着こんでハイボールをあおっているだろう。私たちが道端でブレスレットを売る一方で、あなた方はゴルフを楽しみ、熱々のオードブルを食しているだろう。私の民が痛みと困窮に耐えているときに、あなた方はドライブを楽しんでいるだろう。私の部族の神々はこう告げた。入植者たちを信用してはならない。とりわけ、Sarah Miller は。これらの理由によって、私はあなた方の頭の皮をはぎ、その村を焼き払うことに決めた。)
ちなみに、Wednesday にはポカホンタス(Pocahontas)という役名がついていますが、ニューイングランドの Plympouth で行われたいわゆる「最初の感謝祭」に登場するインディアンは、ディズニーの映画などで有名なあのポカホンタスではありません。「最初の感謝祭」が1620年以降に行われたのに対し、ポカホンタスは1617年にイギリスで亡くなっています。ポカホンタスは、ヴァージニア州居住の Powhatan 部族の出身ですが、ヴァージニアで公式に記録されている感謝祭(上記参照)にはネイティブ・アメリカンとの交流は記されていません。実際に「最初の感謝祭」に参加したのは、Wanpanoag というマサチューセッツ州に居住していた部族です。(おそらく、有名なポカホンタスの名前をここではワザと適当に使ったのだと思います。)
]]>for bird
短母音/二重母音 | 短母音 |
舌の高さ | 中(Mid) |
舌の位置 | 中(Center) |
口の筋肉の緊張 | 緊張(Tense) |
唇の丸め | 丸めない(Unrounded) |
※ 母音の発音の概要、および分類の用語については、【発音】母音の概要と各母音解説へのインデックスをご覧ください。
■ 発音の解説
は、母音としてはやや特殊な扱いになります。音声学的に見ると、 は純粋な母音ではなく、子音がシラブル化した (syllabic liquid) です。 は、他の子音に比べると音の響き(sonority)が大きいために、母音のようにシラブルの核として扱われることがあります。これが として母音の仲間に加えられているのです。(ちなみに、あいまい母音 と発音記号が似ているので注意してください。)
は、舌で口内の空間を狭くして喉の奥で発音されるために、こもった暗い感じの音になります。音の長さは、やや長めです。
発音の基本は、子音の (参照:[r] for rabbit) と同じで、舌を口の奥に向かって持ち上げる動きが鍵となっています。この「舌を持ち上げる」というのは、多くの日本人にはやや難しいのですが、それは や の発音が日本語に存在しないために、舌を持ち上げる筋肉が衰えてしまっているからです。しかしこの衰えた筋肉も、ちょっと鍛えさえすればかならずうまく動くようになります。
そこでおすすめしているのが、歯ブラシをつかった舌の筋トレです。
まず、ご愛用の歯ブラシを用意してください。鏡の前で、口を「ア」の形に軽く開けます。舌を口の外に出して、歯ブラシのヘッドを舌の先から 1 センチほどのところに軽くのせます。口の中に歯ブラシとともに舌を戻し、そのまま「あー」と声を出してみてください。明るい母音の「ア」の音が出ていますね。(えづいてしまう方は、無理せず歯ブラシを浅めにのせてください。)
次に、歯ブラシのヘッドが上口蓋にあたるように、歯ブラシを舌の力で奥に押し上げてみてください。下あごは動かしてはいけません。動かすのは、舌の筋肉だけです。それでは、この状態で「あー」と声を出してみてください。舌を持ち上げる前の「あー」と比べてみると、持ち上げた後の方がこもった音がでているはずです。このこもった音が です。
鏡で舌の動きをチェックしてみましょう。もし、
というようなことがあったら、舌を持ち上げる位置が前すぎます。思い切って舌を動かして、奥に押し込むようにしてください。
舌を持ち上げる動きに慣れたら、歯ブラシなしでやってみましょう。歯ブラシを使わない場合は、舌は口の中のどこにも触れてはいけません。歯ブラシを使っていたときのように、舌を奥に持ち上げるようにしてください。舌の動きがよくわからなくなってしまったら、また歯ブラシを使って確認してみましょう。
この舌の動きに慣れるまでは、思い出したら練習するようにして、根気よく舌の筋トレを続けてください。一週間もすれば、必ず の発音が楽になります。
なお、 の音はアメリカ英語ではごく一般的な音ですが、イギリス英語ではほとんど聞かれません。イギリス英語では、 の巻き舌から生まれるこもった音の代わりに、あいまい母音 を伸ばしたような音として発音されます。
アメリカ英語 | イギリス英語 |
turn | turn |
learn | learn |
以下のリンクから、アメリカ英語とイギリス英語の違いを聞き比べてみてください。("turn" "learn" の単語が続けて発音されます。)
《音声》turn/learn(アメリカ英語)
《音声》turn/learn (イギリス英語)
■ のスペリングパターン
は、「母音("a", "i", "u", "e", "o" など)+ "r" (次のシラブルの子音 の場合を除く)」のスペルによく現れます。ただし、"r" の前の母音が に含まれていない場合がありますので、辞書で確認してください。(例: car :このパターンについては、後日ご紹介します。)
■ 練習問題
の発音になれたら、 を含む単語で練習してみましょう。
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単語での練習にも慣れたら、 を含む早口言葉(tongue twister)にも挑戦してみてください。
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(※ この記事には、YouTube の動画が含まれています。お使いのブラウザによっては、記事内に動画が表示されないことがあります。About の「アクティブコンテンツ(動画・フラッシュ)」の説明をご覧ください。)
■ ハロウィンの起源と現在のお祭り
ハロウィン(Halloween)は、ブリテン諸島に住んでいたケルト族(the Celt)のお祭りにその起源があります。ケルト族は、10月31日に収穫感謝祭を行っていました。その日は「生命」の夏の終わりであり、死霊たちが墓からよみがえり、現世を自由に歩きまわれる日とされていたのです。また同時に、大きなかがり火を焚き死霊の神秘の力を借り、一族の未来も占っていたといわれています。現世をさまよう死霊の中には悪霊もいるため、ケルト族の人々は悪霊を怖がらせるような衣装を着、また彼らを喜ばせるために食べ物を家の外においておいたのだとか。
時がたち、キリスト教がブリテン諸島に根付いた後、ローマ教皇によって11月1日があらゆる聖人(hallow)を祭る日と定められました。そのときからこのケルト族のお祭りの日は、All Hallow's Eve(n) と呼ばれるようになり、その後 Hallowe'en と現在の呼称に変わっていったのです。
アメリカにハロウィンの習慣を持ち込んだのは、19世紀の『じゃがいも飢饉(The Irish Potato Famine)』のために、大量にアメリカに流れ込んできたアイルランド系の移民たちです。いつしか死霊を怖がらせるための恐ろしい衣装は楽しいコスチュームに、死霊たちにささげる食べ物が『Trick or Treat!』のお菓子に変わって、アメリカに根付いたというわけです。
また、ハロウィーンのシンボルでもある顔にくりぬいたかぼちゃのランタン、ジャック・オー・ランタン(Jack-o-Lantern)は、ケルト族のお祭りで焚かれていたかがり火が姿を変えたものだと言われています。この時期になると、スーパーや農場にはランタン用のかぼちゃ(人の頭より一回り大きい)が並びます。
ハロウィンの日には、子供はお化けや妖精の格好で家々を回り、お菓子をねだる『Trick or Treat』に出かけたり、お化け屋敷(Haunted House)に行ったりして楽しみます。大人は『Trick or Treat』こそしませんが、やはり色んな仮装に身を包んでパーティーで騒ぐのが通例です。
ハロウィンは、その宗教色はほとんど失ってしまいましたが、アメリカでは大きな商業的売り上げを見込めるお祭りとして、クリスマスに継ぐ重要なイベントとなっています。
この時期には観光客を呼び込もうと、町を挙げての大規模なお祭りを開催する町もあります。たとえばニューヨークでは、全米最大のパレード The Village Halloween Parade が開催され、何万人という見物人が詰め掛けます。
The Village Halloween Parade の様子(2006)
※ 動画が見られない場合は、http://www.youtube.com/watch?v=Ygv27aUxCEA から直接ご覧ください。
■ 魔女の町・セーラム(Salem)
アメリカ北東部・ニューイングランド地方は秋になると紅葉が美しく、最もハロウィンの雰囲気を楽しめる場所といえます。なかでも、私のお勧めはボストンの北東に位置するセーラム(Salem)という町です。
セーラムは、石畳とレンガ造りの建物のかわいらしい小さな港町ですが、かつて17世紀末の魔女狩りによって20人以上の人々が処刑された、という暗い歴史も持っています。今ではそんな歴史を活かし(?)、ハロウィンのシーズンには町中がシンボルカラーのオレンジと黒で彩られ、魔女やかぼちゃ、骸骨や蜘蛛の巣など、かわいらしくもちょっと気味の悪い飾り付けが町にあふれます。
◎セーラム観光案内(英語):http://www.salem.org/
◎セーラムでの観光ポイント
◎交通: MBTA Boston North Station から Commuter Rail の Newburyport/Rockport Line で 30 分。土日は本数が少ないので注意。(参照:MBTA Commuter Rail)また、MBTA Bus の #459 と #455 でも行くことができます。(参照: MBTA Bus)
■ ナイトメアー・ビフォア・クリスマス(The Nightmare Before Christmas)
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス(原題: The Nightmare Before Christmas )』は、ティム・バートン監督のハロウィンをテーマにしたミュージカルアニメーション映画です。年中ハロウィンのハロウィンタウンの王である『カボチャ王』ジャックが、ハロウィンに飽きて起こす騒動のお話。不気味なのにかわいいキャラクターたちがとっても魅力的です。ハロウィンの日にぜひどうぞ。
"This is Halloween" (The Nightmare Before Christmas より)
※ 動画が見られない場合は、http://www.youtube.com/watch?v=xpvdAJYvofI から直接ご覧ください。
]]>for bat
短母音/二重母音 | 短母音 |
舌の高さ | 低(Low) |
舌の位置 | 前(Front) |
口の筋肉の緊張 | - |
唇の丸め | - |
※ 母音の発音の概要、および分類の用語については、【発音】母音の概要と各母音解説へのインデックスをご覧ください。
■ 発音の解説
は、「ア」に近い母音の中で最も長い音です。 の発音記号を見ると、"a" と "e" がくっついているように見えますよね。 はその見た目どおり、「ア」と「エ」の二つの音が合体したように聞こえる音です。
を発音する際は、「エ」を発音するときのように心持口を横に開き、顎は下げます。舌は、下の歯の後ろに隠すように、これも押し下げておきます。その状態で、「アー」という音をノドの奥から出してみてください。音の響きの中心は、比較的口の前のあたりで起こっているのがわかると思います。 や と発音を比べてみてください。
の特徴は、その音の長さと平べったさです。同じ「ア」系列の や に比べると、 は1.5倍から2倍くらいの長さがあります。また、 は や に比べて口の中が狭く横に広がっているので、平べったい感じの音になります。日本語の「ア」と「エ」を聞き比べてみると、よくわかります。(楽器で言うと、 がクラリネットのような丸みのある音であるのに対し、 はオーボエの少しぺったりした音です。)
■ のスペリングパターン
は、「1シラブル、またはアクセントのある "a"」に比較的よく現れます。(ただし、"a" は他にも や のスペルにもあたるので、辞書での確認が必要です。)
「1シラブルの "a" を含む単語」の最後に「サイレント E」がついた場合は、"a" は ではなく と読まれます。これは、「サイレント E がつくと直前の短母音は二重母音になる」という法則によるものです。アメリカの小学校で習うフォニックスでは、もっとも単純な法則の一つとして "Silent E makes a vowel long." と教えられています。(詳しくは、サイレント E の法則をご覧ください。)
サイレントEなし | サイレントEあり |
tap ((水道の)蛇口、栓) |
tape (平紐、テープ) |
rat ((ドブ)ネズミ) |
rate (割合、料金) |
van (トラック、バン) |
vane (風見、風向計) |
hat (帽子) |
hate (...をひどく嫌う) |
■ 練習問題
の発音になれたら、 を含む単語で練習してみましょう。
|
単語での練習にも慣れたら、 を含む早口言葉(tongue twister)にも挑戦してみてください。
|
for pot
短母音/二重母音 | 短母音 |
舌の高さ | 低(Low) |
舌の位置 | 後(Back) |
口の筋肉の緊張 | - |
唇の丸め | 丸めない(Unrounded) |
※ 母音の発音の概要、および分類の用語については、【発音】母音の概要と各母音解説へのインデックスをご覧ください。
■ 発音の解説
は、外来語に含まれている場合は「オ」の音があてられていることが多いのですが、実際の英語の発音では「ア」と「オ」の中間くらいの音になります。ノドの炎症をお医者さんに見てもらうとき、金属のヘラで舌をちょっと押し下げられて「ア」と言わされますよね。この「ア」が非常に に近い音になります。
の発音の練習にはまず鏡の前にたって、日本語でできるだけ自然に「オ」と言ってみてください。その状態から、下あごを1、2センチ下げてもう一度ノドの奥から「オ」と言ってみてください。日本語の「オ」よりも、口が開くのでどちらかというと「ア」に近くなりますね。これが の音です。
のコツは、下あご(と舌)を下げることと、ノドの奥から声を出すことです。 (【発音】[a] for but)に比べると、 はやや長めの暗い感じの音になります。
■ のスペリングパターン
は、「1シラブル、またはアクセントのある "o"」に比較的よく現れます。(ただし、"o" は他にも や のスペルにもあたるので、辞書での確認が必要です。)
「1シラブルの "o" を含む単語」の最後に「サイレント E」がついた場合は、"o" は ではなく と読まれます。これは、「サイレント E がつくと直前の短母音は二重母音になる」という法則によるものです。アメリカの小学校で習うフォニックスでは、もっとも単純な法則の一つとして "Silent E makes a vowel long." と教えられています。(詳しくは、サイレント E の法則をご覧ください。)
サイレント E なし | サイレント E あり |
hop (ぴょんぴょん跳ぶ) |
hope (希望、...を望む) |
cop (警官) |
cope (対抗する、...をうまく処理する) |
cod (鱈) |
code (規約、規則) |
not (【否定の副詞】...でない) |
note (覚書、メモ) |
■ 練習問題
の発音になれたら、 を含む単語で練習してみましょう。
|
単語での練習にも慣れたら、 を含む早口言葉(tongue twister)にも挑戦してみてください。
|
for but
短母音/二重母音 | 短母音 |
舌の高さ | 中(Mid) |
舌の位置 | 中(Center) |
口の筋肉の緊張 | 緩(Lax) |
唇の丸め | 丸めない(Unrounded) |
※ 母音の発音の概要、および分類の用語については、【発音】母音の概要と各母音解説へのインデックスをご覧ください。
■ 発音の解説
日本語の「ア」に該当する(というか日本人にはそう聞こえる)英語の母音は、4、5種類あります。その中でも は、最も明るく短い、単純な音です。何かをふと思い出したときに、「アッ」と思わずあげる声が に近いです。
の音は、唇には力をいれず口をぽかんと開けて、舌の真ん中あたりに転がすような感じで、短く「ア」と発音します。舌の位置は、口内の高すぎもせず、低すぎもせず、ちょうど真ん中くらいです。
の鍵は、その短さと明るさです。普段あまり意識することはないですが、英語の母音はそれぞれ長さが違います。同じ「ア」系の母音の中では、 はダントツに短い音です。また、口の中間で発する音なので、篭らないハッキリとした明るい音になります。
■ のスペリングパターン
の母音は色んなスペルで表されますが、比較的多いのが「1シラブルの単語の中で "u" を と読む」パターンです。 (例:put、hug、fun、sun)
ただし、不思議なことにこれらに「サイレント E」がついた場合は、"u" は ではなく と読まれます。これは、「サイレント E がつくと直前の短母音は二重母音になる」という法則によるものです。アメリカの小学校で習うフォニックスでは、もっとも単純な法則の一つとして "Silent E makes a vowel long." と教えられています。(詳しくは、サイレント E の法則をご覧ください。)
サイレント E なし | サイレント E あり |
cut (...を切る) |
cute (可愛らしい) |
hug (...を抱きしめる) |
huge (巨大な) |
cub (熊・狐・ライオンなどの子供) |
cube (立方体) |
2シラブル以上の単語でも、アクセントのある "u" は と読まれるものが比較的多いです。これ以外には、数限りないバラエティがあり、パターン化するのは少し難しくなります。次の練習問題の単語での のスペルを見て確認してください。
■ 練習問題
の発音になれたら、 を含む単語で練習してみましょう。
|
単語での練習にも慣れたら、 を含む早口言葉(tongue twister)にも挑戦してみてください。
|
■ 英語の母音の特徴とは?
■ 母音と子音はなにが違うの?
■ 母音の種類はどのように分類されるの?
■ 英語の母音一覧(各母音解説へのインデックス)
■ 英語の母音の特徴とは?
英語の母音は、なんと 16種類もあります。5種類しかない日本語を母語にする英語学習者にとっては、母音はスピーキング・リスニング上のつまづきの大きな原因となります。日本人にとっては も も同じ「ア」に聞こえるために "run" と "ran" が聞き分けられなかったり、また逆に、これらを区別して発音できないがために、正しく聞き取ってもらうことができないということがしばしば起こります。
英語の母音は、大きく短母音と二重母音に分けられます。短母音(short vowel)は、日本語の母音の「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」のように一音で発音される母音です。一方、二重母音(diphthong)はこれらの短母音を組み合わせ、二音がセットの一つの母音です。たとえば、wait に含まれる母音 は、二つの連続する母音ではなく、一つの母音(二重母音)として扱われます。なお、英語の二重母音は long vowel とも言われますが、いわゆる日本語の長母音とは違いますので注意してください。
あいまい母音(schwa)と呼ばれる特殊な母音(発音記号は )があるのも、英語の母音の特徴です。このあいまい母音は、英語のストレス(アクセント)のないシラブルの母音(ただし、二重母音を除く)の音になり、「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」のどの音にも聞こえるという、「あいまいな」母音です。この母音は、ストレス(アクセント)の位置と密接に関係しているため、日本語にはない英語の母音の特徴といえます。(あいまい母音については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。)
■ 母音と子音はなにが違うの?
母音は言語の音の一番原始的な単位ですが、同じレベルの単位で母音に対応する音に子音があります。母音と子音の違いは、主に「発音方法」、「音の響き」、「シラブル(音節)」の三つに現れます。
子音 | 母音 | |
発音方法 | 唇・舌・喉などで息の流れをさえぎることで発音する | 基本的に息はさえぎられない。口内のどこで発音するかで母音の種類が変わる |
音の響き | 響きが小さい | 響きが大きい |
シラブル(音節) | 基本的に音節の中心にはならない | 音節の中心となる |
母音は、子音と違って口内で息の妨げとなるものがほとんどない状態で発音されます。母音は、発音時の舌の位置、また唇などの緊張の度合いによって区別されます。その結果、母音は子音に比べて、より音の響きの大きい(つまり、相手によく聞こえる)音となります。
また、母音と子音はシラブル(音節)を構成する要素ですが、母音がシラブルの核となるのに対し、子音は母音の前後を取り巻く周辺的な要素となります。シラブルが琵琶の実なら、母音は種、子音は果肉の部分です。なお、シラブルは母音のみでも成立しますが、子音だけでは基本的にはシラブルにはなりません。(シラブルについて詳しくは、こちらの記事を参照してください。)
■ 母音の種類はどのように分類されるの?
英語の母音は、(1) 舌の高さ、(2) 舌の位置、(3) 口の筋肉の緊張、(4) 唇の丸め具合、という四つのポイントから分類されます。
(1) 舌の高さ
舌の高さとは、発音時に「舌がどの高さにあるか」を示します。舌の高さには、「高(High)」「中(Mid)」「低(Low)」の三種類があります。
(2) 舌の位置
舌の位置とは、発音時に「舌が口内のどの位置(前方/後方)にあるか」を示します。舌の位置には「前(Front)」「中(Central)」「後(Back)」の三種類があります。
(3) 口の筋肉の緊張
口の筋肉の緊張とは、発音時に「口(唇・顎など)の筋肉が緊張しているか」を示します。口の筋肉の緊張には、「緊張(Tense)」と「緩(Lax)」の二種類があります。
(4) 唇の丸め具合
唇の丸め具合とは、発音時に「唇が丸まっている(すぼめられている)か」を示します。
これらの四つのポイントの関係は、以下のような表で表すことができます。縦が (1) 舌の高さで、横が (2) 舌の位置です。(3) 口の筋肉の緊張は、(1) 舌の高さが高(High)または中(Mid)の場合のみ、適用されます。(4) 唇の丸め具合は、(1) 舌の高さが高(High)または中(Mid)かつ (2) 舌の位置が後(Back)である場合のみ、丸める(Rounded)となります。
この表を覚える必要はまったくありません。一つずつ母音を見ていく際に、四つのポイントを確認することで、より発音のコツがつかみやすくなる、そのためのヒントととらえてください。ここでは、このような四つのポイントがある、ということだけ理解していただければ結構です。
前 (Front) |
中 (Central) |
後 (Back) |
||
高 (High) |
緊張 (Tense) |
唇を丸めない (Unrounded) |
唇を丸めない (Unrounded) |
唇を丸める (Rounded) |
緩 (Lax) |
唇を丸めない (Unrounded) |
唇を丸めない (Unrounded) |
唇を丸める (Rounded) |
|
中 (Mid) |
緊張 (Tense) |
唇を丸めない (Unrounded) |
唇を丸めない (Unrounded) |
唇を丸める (Rounded) |
緩 (Lax) |
唇を丸めない (Unrounded) |
唇を丸めない (Unrounded) |
唇を丸める (Rounded) |
|
低 (Low) |
唇を丸めない (Unrounded) |
唇を丸めない (Unrounded) |
■ 英語の母音一覧(各母音解説へのインデックス)
以下は、英語の 16 ある母音の一覧です。前セクションでご紹介した母音の分類方法に従って、表に分類しています。リンクから各母音の解説ページに飛ぶことができます。各発音記号の下にある単語のイタリック文字が、その発音記号の示す子音に該当しています。
(※ 母音の解説ページはこれから更新します。更新しだい、順次リンクをアップデートする予定です。)
前 (Front) |
中 (Central) |
後 (Back) |
|||||
高 (High) |
緊張 (Tense) |
beat |
boot |
||||
緩 (Lax) |
bit |
book |
|||||
中 (Mid) |
緊張 (Tense) |
bait |
|
boat |
|||
緩 (Lax) |
bet |
but |
|
||||
低 (Low) |
bat |
|
■ 英語の子音の特徴とは?
■ 子音と母音はなにが違うの?
■ 子音の種類はどのように分類されるの?
■ 英語の子音一覧(各子音解説へのインデックス)
■ 英語の子音の特徴とは?
英語の子音は全部で24種類あります。
英語の子音は、日本語に比べて子音が母音から独立しているところにまず大きな特徴があります。日本語では子音と母音は常に1セットとなっており、たとえば「カ」は [K] という子音と [A] という母音の二つの音で構成されていて、通常これらを切り離して発音する必要はありません。一方、英語の子音は母音からはっきり独立している音で、日本語にはない「子音で終わる単語」も多数存在しているため、子音単体できちんと発音できることがネイティブらしい発音の鍵にもなっています。
また、英語の子音は日本語に比べて、唇・舌・歯などの口内の部品をよりはっきりと動かす必要があります。日本語の「カ行」は英語の と対応している音ですが、日本語のままの発音ではあいまいすぎて、英語のネイティブには と聞き取ってもらえないこともあります。息の量・勢いもより多く必要となります。
■ 子音と母音はなにが違うの?
子音は言語の音の一番原始的な単位ですが、同じレベルの単位で子音に対応する音に母音があります。子音と母音の違いは、主に「発音方法」、「音の響き」、「シラブル(音節)」の三つに現れます。
子音 | 母音 | |
発音方法 | 唇・舌・喉などで息の流れをさえぎることで発音する | 基本的に息はさえぎられない。口内のどこで発音するかで母音の種類が変わる |
音の響き | 響きが小さい | 響きが大きい |
シラブル(音節) | 基本的に音節の中心にはならない | 音節の中心となる |
や などに代表される子音は、唇や舌などの口の一部を使って自然な息の流れをせき止めたり、せばめたりすることで音を出します。一方、 や に代表される母音は、息を遮らないで発音する音で、その結果子音よりもより響きの大きな音になります。
また、子音と母音はシラブル(音節)を構成する要素ですが、母音がシラブルの核となるのに対し、子音は母音の前後を取り巻く周辺的な要素となります。シラブルが琵琶の実なら、母音は種、子音は果肉の部分です。なお、シラブルは母音のみでも成立しますが、子音だけでは基本的にはシラブルにはなりません。(シラブルについて詳しくは、こちらを参照してください。)
■ 子音の種類はどのように分類されるの?
子音の発音を決めるのは、(1) 発音の位置、(2) 発音の種類、(3) 有声音か無声音か、という三つのポイントです。
(1) 発音の位置
発音の位置とは、発音の際に「どこで息が妨げられるか」を示します。たとえば、 は両唇を合わせてから開放することで発音するので、 の音は両唇音という発音の位置に分類されます。ほかに発音の位置には、唇歯音、歯間音、歯茎音、歯茎口蓋音、軟口蓋音があります。
(2) 発音の種類
発音の種類とは、発音の際に「どのように息が妨げられるか」を示します。たとえば、 の音は舌を使って一旦息の流れを完全にとめ、開放することで発音します。このように発音する音を閉鎖音といいます。ほかに発音の種類には、摩擦音、破擦音、鼻音、そり舌音、側音、半母音があります。
(3) 有声音か無声音か
子音は、有声音あるいは無声音の二種類に分類されます。有声音と無声音の違いは、発音の際に「声帯が震えるかどうか」です。発音中に喉をさわっていると、手に振動が伝わる(=声帯が震えている)音が「有声音」、振動が伝わってこない(=声帯が震えていない)音が「無声音」です。たとえば、 を発音しながら喉をさわっても振動は感じられませんが、 を発音するときには喉はビリビリと震えています。喉が震えない は無声音、喉の震える は有声音です。
■ 英語の子音一覧(各子音解説へのインデックス)
以下は、英語の 24 ある子音の一覧です。前セクションでご紹介した子音の分類方法に従って、表に分類しています。リンクから各子音の解説ページに飛ぶことができます。各発音記号の下にある単語のイタリック文字が、その発音記号の示す子音に該当しています。
両唇音 | 歯間音 | 唇歯音 | 歯茎音 | 歯茎口蓋音 | 軟口蓋音 | - | ||
閉鎖音 | 無声音 | (pen) |
(tea) |
(king) |
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有声音 | (bird) |
(dime) |
(goat) |
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摩擦音 | 無声音 | (face) |
(think) |
(sea) |
(shore) |
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有声音 | (vase) |
(this) |
(zebra) |
(vision) |
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破擦音 | 無声音 | (chance) |
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有声音 | (justice) |
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鼻音 | (march) |
(note) |
(ring) |
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そり舌音 | (rabbit) |
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側音 | (lake) |
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半母音 | (waste) |
(yacht) |
(waste) |
|||||
- | (house) |
for house
発音の位置 | ? |
発音の種類 | ? |
有声音/無声音 | 無声音 |
■ 発音の解説
は、日本語では「ハ行」に相当する音ですが、英語の子音としては少々特殊なポジションにあります。子音は一般的に「舌・歯・唇などで息の流れを妨害することで出す音」と定義されています。ところが、 は子音に分類されているにもかかわらず、子音に必要とされる「息の妨害」が全くありません。そのため、 は「無声の母音」と位置づけられることもあります。
の音は、冬とても寒いときにかじかむ手を暖めるための「ハーーー」という息です。口の前にかざした手が暖かな息を感じられるように、喉の奥からゆっくりと息を吐き出しましょう。これが の音です。 の音の口・舌・唇の形は、続く母音に従い、 単体では特に決まっていません。
■ 練習問題
のみで、スムーズに発音できるようになったら、今度は を含む単語で練習して見ましょう。 以外の音は、ここではそれほど意識する必要はありません。最初のうちは、ちょっと大げさなくらいに口も舌もはっきりと動かすほうが、発音の練習になります。
初めは、それぞれの音を別々に の音と他の音を分けるように、ゆっくりと発音しましょう。例えば、heal なら "h---eal" というふうに、これを何度も繰り返してください。最初のうちは、ちょっと大げさなくらいに口も舌もはっきりと動かすほうが、発音の練習になります。 の音に自信が持てるようになったら、徐々に とそれ以外の音の間をつめていき、最後にはなめらかに一息で発音できるようになるまで、繰り返してください。
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(1) から (5) は語頭に がつく単語、(6) から (10) は語中に がつく単語です。 にはいつも母音が続くので、必ずシラブルの最初の音になります。日本語の「ハ行」と違って は母音のつかない子音単体であることを、意識しながら練習してください。 例えば、(1) の heal は、 といった後で と発音しなくてはなりません。
の発音に慣れてきたら、以下の Tongue-Twister (早口言葉)も試してみてください。
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for yacht
発音の位置 | 歯茎口蓋音 |
発音の種類 | 半母音 |
有声音/無声音 | 有声音 |
■ 発音の解説
は、日本語の「ヤ行」に相当する音です。ただし、「ヤ行」に比べて の口の動きはよりはっきりとしています。また、「ヤ行」の母音はア段・ウ段・オ段に限られていますが、 の後にはあらゆる母音を続けることができます。
を発音するには、まず嫌な大人に向って子供がする「イーっだ」の「イー」の口の形にして、軽く「うなり」ます。続いて、そのままうなりながら勢いよく「ア」の口の形に開けます。これが基本の の音です。開く口の形は、続く母音によって変わります。 に続く母音が なら「ィエッ」、 なら「ィヨッ」といった音になります。
問題は、 に 「イ」の母音 が続く場合です。(例: year ) の最初の口の形は、母音 のものとほぼ同じであるため、口の形を変えることでは の音を表現することができません。
この場合は、 で最初の「イ」、そして心持うなり直すような感じで の「イ」をそれぞれ発音します。つまり、year は「イヤー」というよりも、「ィイヤー」という感じになります。外来語としてはどちらも「イヤー」になる ear との違いは、 の「イ」があるかないかになります。
は、 (【発音】[w] for waste)と同じく、半母音という音に属します。半母音は、 や といった母音と同じように、息が唇や舌によってほとんど遮られないため、他の子音に比べて、大きく響きのある音になります。(半母音と母音の違いについては、後日説明します。)
■ 練習問題
のみで、スムーズに発音できるようになったら、今度は を含む単語で練習して見ましょう。 以外の音は、ここではそれほど意識する必要はありません。最初のうちは、ちょっと大げさなくらいに口も舌もはっきりと動かすほうが、発音の練習になります。
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上記の単語リストは、すべて語頭に がつくものです。語中・語尾にある y のスペルは、ほぼ例外なく と発音されます。(例: soy )
次に、 に続く音が となる単語のリストです。上のセクションで述べたとおり、 で最初の「イ」、続く母音の でさらに「イ」をうなりなおすような感じで発音して下さい。(太字は、 の音に該当する部分です。)
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※ 上記の単語は、【発音】子音:[j] for yacht の単語集 で音の確認、および単語の練習をすることができます。特に、yeast と east、year と ear の音の違いをぜひ比べてみてください。
の発音に慣れてきたら、以下の Tongue-Twister (早口言葉)も試してみてください。
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for waste
発音の位置 | 両唇音/軟口蓋音 |
発音の種類 | 半母音 |
有声音/無声音 | 有声音 |
■ 発音の解説
は、日本語では「ワ行(ワ・ウィ・ウゥ・ウェ・ウォ)」に相当します。日本人にとっては、比較的発音しやすい音ですね。
の発音を発音するには、まずタコの口のように(またはキスをするときのように)唇をきゅっとすぼめて前に突き出し、「うなり」を入れます。次に、うなりながら唇を勢いよく「あ」の口の形に開きます。このときにでる「ワっ」という音が基本の です。ただし、 に続く音によって、解放する唇の形は変わります。続く音が ならすぼめた唇から「イ」の口へ、 なら「オ」の口へ、となるわけです。
問題は、 に「ウ」の音の母音である や の音が続くときです。(例: wood ) のタコの口と、 や の丸めた唇の形はほとんど同じですから、 や の続いた では、唇を大きく開放して「ワっ」という音を出すことはできません。
この場合は、 で「ウ」のうなりを入れ、このタコの口のまま や で「ウ」と心持うなり直すような感じで発音します。つまり、例に挙げた wood はカタカナ英語では「ウッド」となりますが、実際には「ウゥッド」のように発音されるのです。
は「半母音」という種類の音に相当します。そもそも子音と母音の違いは、「口の開きの大きさ・響きの大きさ」という割とあいまいな基準で決まっています。子音は舌や唇で息を妨害することで発音されますが、母音は息の妨害がほとんどなく、響きのある音になるのです。半母音である は、子音に分類されていはいますが、口の開きや響きはまるで母音のように大きいという特徴があります。(「母音」と「半母音」の違いについては、また後日説明します。)
■ 練習問題
のみで、スムーズに発音できるようになったら、今度は を含む単語で練習して見ましょう。 以外の音は、ここではそれほど意識する必要はありません。最初のうちは、ちょっと大げさなくらいに口も舌もはっきりと動かすほうが、発音の練習になります。
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それぞれ、(1) から (3) は語頭に、(4) から (6) は語中に があるパターンです。 は、シラブルの最初にしかつかない子音なので、 で終わる単語というのはありません。w で終わるスペルの単語はありますが、この w は や などの母音として発音されます。(例: low )
さて、今度は に「ウ」の音の母音、 または が続くパターンをやってみましょう。上のセクションで述べたように、 で最初の「ウ」、 や でもう一度「ウ」を言い直すような気持ちで発音すると、ネイティブらしい音になります。
次の三つ は に続く音(太字)が短母音の の場合です。
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次の三つは に続く音(太字)が長母音の になる場合です。
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の発音に慣れてきたら、以下の Tongue-Twister (早口言葉)も試してみてください。
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for zebra
発音の位置 | 歯茎音 |
発音の種類 | 摩擦音 |
有声音/無声音 | 有声音 |
■ 発音の解説
は、基本的には「『ジ』を除くザ行」と対応していますが、 のネイティブらしい発音には「ザ行」よりも明確な口の形としっかりした息が必要です。
を発音するにはまず、上下の歯は完全に閉じない程度にあわせておきます。(隙間を開けた「イー」)という感じ。)そして、舌の先を持ち上げて上の前歯の裏の辺りに近づけます。(上の画像を参照)一旦、舌を上の前歯と歯茎の間につけてから、少し離してみると位置がとりやすいかもしれません。唇には力を入れず、ぼんやりと少し開いた感じにしてください。(単語内での発音時には、続く音によって唇の形が変わります。)
この状態で軽くうなりながら、息を前歯に押し付けるようにたくさん吹きかけると、舌と歯茎のせまい隙間から「ズーーーーー」というこすれたような音がでます。( の無声音バージョンの では、息の音しかしませんでしたが、 は有声音なので「うなり」が入ります。)
のイメージとしては、砂でザラザラしている硬い床と、その上にあるちょっと重めの段ボール箱を想像してください。この段ボールをロープか何かで結わえて、床の上をひきずっていくと、砂がコロのようになって段ボールは滑って行くけれども、砂とこすれる音が「ずずずずー」と絶えずしていますよね。息は絶えまなく滑って行くけれども、ザラザラにこすれる音が少し耳障りな感じ、それが の音です。
なお、外来語になっている単語を発音するとき、「ザ・ズ・ゼ・ゾ」の音を や と間違えないように気を付けてくださいね。一般的に「ジ」や「ジャ行」に当たる音はこの二つのいずれかに相当しますが、「ザ・ズ・ゼ・ゾ」は になります。(例:「レジャー」→ leisure 、「ジュース」→ juice 、「ズーム」→ zoom )
■ 練習問題
のみで、スムーズに発音できるようになったら、今度は を含む単語で練習して見ましょう。 以外の音は、ここではそれほど意識する必要はありません。
初めは、それぞれの音を別々に の音と他の音を分けるように、ゆっくりと発音しましょう。例えば、zip なら "z---ip" というふうに、これを何度も繰り返してください。最初のうちは、ちょっと大げさなくらいに口も舌もはっきりと動かすほうが、発音の練習になります。 の音に自信が持てるようになったら、徐々に とそれ以外の音の間をつめていき、最後にはなめらかに一息で発音できるようになるまで、繰り返してください。
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(1) から (3) は、最初の音が のパターン。日本語の「ザ行」と違って は母音のつかない子音単体であることを、意識しながら練習してください。 例えば、(1) の zip の下線部の発音は、 といった後で と発音しなくてはなりません。 (4) から (6) は、 の音が単語の最後に、(7) から (9) では単語の真ん中にあります。こういう を聞き取ってもらうためには、息を鋭く押し出す力がとても大事。少し離れて立っていても聞こえるくらいに、勢いよく鋭い子音を飛ばすよう意識してください。
の発音に慣れてきたら、以下の Tongue-Twister (早口言葉)も試してみてください。
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cold turkey
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cold turkey は、頻出のスラングの一つです。cold turkey は、名詞または副詞として使われます。名詞の cold turkey は、「(ドラッグ中毒の治療法として)突然やめること、やめた結果の禁断症状」のことを言います。
turkey(七面鳥)は日本ではあまり見かけませんが、欧米ではポピュラーな肉です。cold turkey は、調理済みの七面鳥(ハムなども含む)のことで、食料品店で簡単に手に入ります。この cold turkey を使う調理には「準備がほとんど必要ない」というところから、cold turkey に「準備なしに突然、すっぱり」という意味が現れたという説があります。
現在よく使われるのは、例文のように quit、go、stop などの動詞と組み合わせて cold turkey を副詞として扱う用法です。ドラッグや酒に限らず、喫煙・チョコレート・テレビ中毒など、「(よくない習慣)をすっぱりやめる」ことを意味します。
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また、もともとの cold turkey からは少し離れますが、talk (cold) turkey で「(問題解決のために)ざっくばらんに/率直に話す」という意味のスラングがあります。このスラングは主にアメリカでよく使われています。(この表現では、cold は省略されることが多いです。)
]]>for dime
発音の位置 | 歯茎音 |
発音の種類 | 閉鎖音 |
有声音/無声音 | 有声音 |
■ 発音の解説
は、日本語の「ダ行」にほぼそのまま相当する、日本人にとって馴染みのある音です。ただし、 では「ダ行」に比べて、より勢いのある鋭い音を発する必要があります。「ダ行」そのままでは、音がソフトすぎてネイティブには と聞き間違えられることがあるのです。(意外かもしれませんが、日本語の「ダ行」の発音は非常に「ラ行」と似ています。一度「ダ」と「ラ」を舌の動きを確認しながら発音してみてください。)
は、上の前歯の裏の歯茎にしっかりとつけた舌を勢いよく弾き、息を開放することで発音されます。このとき、口の 10 センチほど前に手のひらをかざし、 の発音と同時に息のかたまりが「ぱふっ」とぶつかってくるのが感じられればOKです。(この確認方法は、 の無声音バージョンである の発音( 【発音】[t] for tea)でもご紹介しましたが、有声音の ではぶつかってくる息の勢いは より弱くなります。)
■ 練習問題
のみで、スムーズに発音できるようになったら、今度は を含む単語で練習して見ましょう。 以外の音は、ここではそれほど意識する必要はありません。 初めは、それぞれの音を別々に の音と他の音を分けるように、ゆっくりと発音しましょう。例えば、death なら "---eath" というふうに、これを何度も繰り返してください。最初のうちは、ちょっと大げさなくらいに口も舌もはっきりと動かすほうが、発音の練習になります。 の音に自信が持てるようになったら、徐々に とそれ以外の音の間をつめていき、最後にはなめらかに一息で発音できるようになるまで、繰り返してください。
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(1) から (3) は、最初の音が のパターン。日本語の「ダ行」と違って は母音のつかない子音単体であることを、意識しながら練習してください。 例えば、(1) の death の下線部の発音は、 といった後で と発音しなくてはなりません。 (4) から (6) は、の音が単語の最後に、(7) から (9) では単語の真ん中にあります。こういう を聞き取ってもらうためには、息を鋭く押し出す力がとても大事。少し離れて立っていても聞こえるくらいに、勢いよく鋭い子音を飛ばすよう意識してください。(日本人は単語の最後の音を飲みこんでしまう傾向があるので、特に気をつけましょう。)
の発音に慣れてきたら、以下の Tongue-Twister (早口言葉)も試してみてください。
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