【発音(応用)】フラッピング (1) |
■ フラッピング(flapping)とは
英語の発音は個々の子音と母音を基礎として、実際の単語やフレーズの中で様々に変化します。 フラッピングは、そんな発音の変化のひとつです。
butter という単語はフラッピングのひとつの例です。辞書で引くと butter は という発音のはず。しかし、ネイティブが通常の会話スピードでこの単語を使うと、butter の が に近い音に変化し、 のように発音されます。 このように がある条件によって のような音になることをフラッピング(flapping) といい、フラッピングの起こった を英語では flapped t と呼んだりします。(flap とは、「ぱたぱた揺れる」という意味です。)
フラッピングが起こった は、 のような発音になります、日本人にとっては日本語のラ行音と考えたほうがわかりやすいかもしれません。フラッピングの起こった は上口蓋の歯茎に近い辺り(凹んだ部分のすぐ手前)で、軽く舌をはじいて発音されます。
フラッピングをスピーキングに取り入れる必要は必ずしもありませんが、しくみを知っておけば、リスニングの際に何回聞いても聞き取れない単語やフレーズを聞き取るのに役立ちます。
■ フラッピング(flapping)が起こる条件
このフラッピングは、以下の2つの条件にあてはまる で発生します。 (言語学上はもっと細かい分類がありますが、できるだけシンプルにしました。)
《フラッピングの発生する条件》
|
上記のフラッピングの例、butter を使ってこれらの条件を確認してみましょう。
|
butter の は前後を母音の と にはさまれています。teacher、late のように語頭や語尾にある や、after、cotton のように直前か直後に子音がくる にはフラッピングは起こりません。
|
butter の の直前の音は というストレス(アクセント)のある母音です。stop、adapter のように直前が子音の場合や、potato や cartoon のように直前の母音にストレス(アクセント)がない場合は、フラッピングは起こりません。
フラッピングの感覚をつかんでいただくために、フラッピングの起こる と起こらない の単語の例をあげてみました。 何度か読み上げて、両者のパターンの違いを感じてみてください。
フラッピングの起こる単語 | フラッピングの起こらない単語 | |
butter later barter mortar quarter party item atom lettuce |
(a) | tomorrow today table |
(b) | salt note wept | |
(c) | after extra partner | |
(d) | lotate dissatation metabolic |
フラッピングが起こらない単語の例はそれぞれ、(a) は語頭に がくる場合、(b) は語尾に がくる場合、(c)は の前か後ろに子音がくる場合、(d) は の直前にストレス(アクセント)のない母音がくる場合です。
こうして例をあげてみると、フラッピングが起こる単語は語感が似ていますね。 条件でいちいち振り分けることは難しいですから、例にあげた単語を何度か繰り返してみて、パターンを感覚でつかんでいくのがいいと思います。
関連記事 |
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 【発音(応用)】フラッピング (1)
このブログ記事に対するトラックバックURL: https://bin.xrea.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/40
▼コメント入力フォームを表示する/隠す
コメントする