【文法】関係代名詞 whom |
■ 関係代名詞 who と whom
関係代名詞 whom は、教科書では見覚えがあっても、実際に使う機会は意外とありません。 多くの文法書は、関係代名詞 who と whom の使い分けを以下のように紹介しています。
関係代名詞 | who | whom |
修飾される名詞 | 人 | 人 |
関係代名詞節での役割 | 主語 | 目的語 |
who と whom を文法書どおりに文章で使うと、次の例文のようになります。
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ところが、実際の会話ではなぜか whom があるべきところに、who が代わりによく使われます。(使い分けるのが面倒になって、置き換えても意味が通じないわけではない who だけをよく用いるようになったのではないか、というのが私の推測です。)
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また、関係代名詞 whom そのものが省略されることもよくあります。実は、目的語(人・物)をとる関係代名詞では、この省略の形がもっとも一般的です。
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■ 前置詞に続く関係代名詞 whom
前置詞に続く名詞を関係代名詞で置き換える場合にも同様のことが起こります。文法書の正しい英語では、以下の例文のようになります。
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この文章は、He is the man. と I'm working for the man. の二文を、 the man を関係代名詞で置き換えて連結したものです。 関係代名詞が置き換わる名詞の前に前置詞(この例文では for)がある場合、関係節(関係代名詞に続く節)の最初に置かれることも、教科書にはありましたね。
しかし日常会話で使う場合、まず関係代名詞の前の前置詞は、たいてい関係節の中に残されます。どの言葉を使うか最後まで決めてから話し始めるわけではありませんから、こちらのほうがより自然な語順ですよね。これは、物を修飾する関係代名詞 which でも同じです。(英語の試験ではこの前置詞に悩まされましたが、ネイティブもうっとうしいと思っていたんでしょうか。)
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さらに、関係代名詞 whom が who に置き換わったり、省略されたりします。
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whom を使っても問題はありませんが、かなりかしこまった印象を与えるので、オーラルコミュニケーションや友人への手紙などのインフォーマルなライティングでは、who を使うか、関係代名詞を省略してしまう形のほうがむしろふさわしいと思います。
ただし、フォーマルであるべきビジネス文書や大学の論文などのアカデミックライティングでは、正しい英文法に従って whom を使い、前置詞を whom の前に置く形が好まれます。 正しい文法の厳密さは人によって違いますから、フォーマルな場では厳しいほうの基準に従ったほうが安全です。(だからといって、口語レベルでまで期待されては、相手のほうが hypercorrective だといわざるを得ませんけど。)
というわけで、まったく使わないわけではありませんから、whom もきちんと使えるようにしておきましょう。
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