【文法】仮定法(1) 《仮定法過去》


もし「使いたくない文法」ランキングがあるとしたら、仮定法はトップ争いに参加できるのではないでしょうか。構文が複雑そうに見えて、つい敬遠してしまいがちな仮定法ですが、意外と日常会話で使える場面も少なくありません。せっかく習った文法ですから、ここでもう一度確認して積極的に使っていきましょう。



■ 仮定法って何?



そもそも仮定法(unreal conditional, hypothetical conditional, subjective conditional)とは、何のために使うのでしょうか?そして、普通の if を使った条件文とどう違うのでしょうか? if 節を含む例文を見て比較してみましょう。

  1. If Harry and Sally get married, they'll be a lovely couple.
  2. If Harry and Sally got married, they would be a lovely couple.
    (もし Harry と Sally が結婚したら、素敵な夫婦になるだろう。)

例文の (a) は if を使った普通の条件文、if 節と主節(条件の結果を表す節)が過去形になっている (b) が仮定法を使った条件文です。

まず、(a) の普通の if の条件文を使うとしたら、あなたは Harry と Sally が結婚する可能性はなきにしもあらず、と考えているということです。二人がお付き合いしているのを知っているのかもしれませんし、ただの友達にしてもいい感じだなあと思っているのかもしれません。

ところが、Harry と Sally が大喧嘩をして、完全に絶交状態になってしまったとします。もう関係の修復の可能性はなさそうです。そこで、「実現する可能性はほとんどないけど、もしもあの二人がもし結婚するとしたら…」と想像しているのが (b) の仮定法です。

違いがおわかりいただけたでしょうか?つまり、普通の if の条件文と仮定法の違いは、「実現の可能性の有無」なのです。普通の if を使った条件文では実現の可能性が十分ありますが、仮定法の条件文では実現可能性はほぼゼロです。言い換えると、およそ現実的でない「想像」「夢」「妄想」を表現できるのが仮定法なのです。

以上をふまえて、別の if の条件文の例文を比較してみましょう。

  1. If I become the Prime Minister, I'll get rid of sales tax.
  2. If I became the Prime Minister, I would get rid of sales tax.
    (もし私が首相になったら、消費税を廃止するだろう。)

この二つの例文には、どのような意味上の違いがあるでしょうか。そうですね、もしあなたがとても有力な政治家で、総裁選にも出られるくらいなら、つまり首相になる可能性があるのなら、普通の if を使った条件文の (a) を使うことができます。一方、あなたが(ほとんどの人がそうであるように)ただの一般人で、総裁になった自分をただ妄想しているのなら、(b) の仮定法で我慢しておきましょう。

今までの例文を見ていると、仮定法が使えそうな「もし」を色々思いつきませんか?

  • もし三億円の宝くじが当たったら
  • もし妹がいたら
  • もしドラえもんに助けてもらえるとしたら
  • もし明日世界が終わるとしたら

ありえないけど、つい想像してしまう「もし」を表現するのが仮定法です。こんな「もし」を自由に表現できたら、話題が広がって楽しいですよね。それでは、現在・未来の「もし」を語るための仮定法(仮定法過去)についてご説明しましょう。



■ 現在・未来の仮定法(仮定法過去



普通の if の条件文と、現在・未来の「想像」を語る仮定法の条件文は、構文上どのような違いがあるのでしょうか。もう一度、最初の例文を見てみましょう。

  1. If Harry and Sally get married, they'll be a lovely couple.
  2. If Harry and Sally got married, they would be a lovely couple.
    (もし Harry と Sally が結婚したら、素敵な夫婦になるだろう。)

例文の下線の部分に注目してください。(a) のように普通の条件文では、if 節の中は現在・未来に関係なく現在形を使い、続く主節には未来を表す助動詞 will を使います。一方、(b) の現在・未来の仮定法(仮定法過去)の条件文では、if 節の中は現在・未来に関係なく過去形になり、主節には過去形の would を用います。

  if 節

主節

(a) 普通の条件文 if 現在 will + 動詞の原型
(b) 現在・未来の仮定法 if 過去 would + 動詞の原型

仮定法には、普通の条件文より一つ前の時勢(現在形→過去形、will → would)を使う、と覚えてもいいかもしれません。先のセクションであげた「もし」を仮定法を使って表現してみると、次のようになります。

if 節 主節
if I won three hundred million yen in a lottery
(もし宝くじで三億円あたったら)
I would buy a brand-new red porsche.
(ぴかぴかの赤いポルシェを買うつもりだ。)
if I had a younger sister
(もし妹がいたら)
I would go shopping with her every weekend.
(毎週彼女と一緒にショッピングに行くわ。)
if I could ask Doraemon for help
(もしドラえもんに助けてもらえるとしたら)
I would borrow a Honyaku-Konnyaku.
(僕は翻訳コンニャクを借りるよ。)
if the world ended tomorrow
(もし世界が明日終わるとしたら)
what would be your last meal on earth?
(最後に何を食べたい?)

「もし...だったら」というあなたの想像を、10 個くらい仮定法を使って文章にしてみましょう。パターンさえ覚えてしまえば、仮定法も決して難しくありません。


ところで、ここまでの例文では if 節から始まるものばかりあげましたが、if 節が主節の後にくる場合もあります。意味上の違いはありませんが、if 節が最初にくる場合は、if 節と主節の間に , (コンマ)を置くのに対し、if 節が後に来る場合は , (コンマ)は必要ありません。理由は単純で、if 節の後に主節を置くと、どこまでが if 節でどこからが主節かわかりにくいので、, (コンマ)で区切ることになっているのです。

  • 【if 節+主節】  If my dog could speak, I would ask her what she dreams at night.
  • 【主節+ if 節】 I would ask her what she dreams at night if my dog could speak.
                      (もし私の犬が言葉をしゃべれたら、夜何の夢を見ているのか聞いてみるわ。)
  • 【if 節+主節】  If my mother still lived, I would do whatever she wants.
  • 【主節+ if 節】 I would do whatever my mother wants if she still lived.
                      (もし私の母がまだ生きていたら、何でも望むことをしてあげたい。)



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このページは、Rickoが2008年1月 8日 23:00に書いたブログ記事です。

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