【発音(応用)】シラブル(音節) |
英語の発音の勉強をしていると、しばしばシラブル(syllable)という言葉にでくわします。シラブルは、英単語のストレス(アクセント)を理解するための基本中の基本の知識となります。今回は、そんなシラブルについて解説します。
■ シラブルの正体
シラブル(syllable)とは、日本語でいう音節のことです。広辞苑(岩波書店・第5版)では、音節は「まとまりに発音される最小の単位。ふつう、核となる母音があり、その前後に子音を伴う」と定義されています。どの言語においても、言葉は母音と子音の組み合わせでなりたっており、母音を中心とする音のかたまりに分解することができます。そのような母音を核にした音のかたまりがシラブル(音節)であり、まとまって発音される音の一番小さな単位としているのです。シラブルは、以下のいずれかの音の組み合わせでできています。
- 母音(V)
- 子音+母音(CV)
- 母音+子音(VC)
- 子音+母音+子音(CVC)
英和辞典で思いつく英単語をいくつか引いてみてください。少し長い単語では、見出しの単語が「・」でいくつかに分けられて表示されている場合があります。(例: sol・dier (兵士)、pro・gram (プログラム))この「・」がシラブルの区切りを表しています。「・」がついていない英単語は、1 シラブルの単語です。
シラブルに慣れるために、まずは日本語の単語「おもち」に含まれているシラブルを見てみましょう。シラブルは母音を核にした音のまとまり、つまり単語をシラブルに分解するには、まず単語に含まれる母音を見つける必要があります。「おもち」をローマ字で書くと、「omochi」。含まれる母音は「お」の『o』、「も」の『o』、「ち」の『i』ですね。一番目の母音『o』は、前に子音がついておらず、単体でシラブルを形成します。二番目の母音『o』は、直前に『m』という子音があり、これが一つのシラブルになります。三番目の母音『i』は、直前の子音『ch』と一緒になって、一つのシラブルとなります。つまり、「おもち」には「お(o)」「も(mo)」「ち(chi)」という三つのシラブルが含まれています。
日本語の五十音は、一文字がほぼ 1 シラブルに相当するため、簡単にシラブルを抽出することができます。五十音は、「ん(n)」を除いて、すべて母音のみ(ア行)か子音+母音(ア行以外)の組み合わせですね。
一方、英語は日本語と違って子音と母音の癒着度が低く、スペリングにも例外が多いので、シラブルも少し複雑に感じられるかもしれません。しかし、英語もシラブルの第一のルールは日本語と同じく「母音を探せ」です。
それでは、英単語の発音に含まれるシラブルを見てみましょう。
put (...を置く) |
put の発音記号は、 です。この単語に含まれる母音は の一つだけですね。つまり、単語全体で一つのシラブルを形成する、1 シラブルの単語ということになります。
woman (女性) |
woman の発音記号は、 です。この単語の母音は と の二つですね。woman は、wom・an という 2 シラブルの単語です。
appointment (約束) |
appointment の 発音記号は、 です。発音記号に含まれている母音は 、、、 の四つですね。でも、ここには落とし穴があります。そう、英語には「二重母音」という母音がありましたよね。、、、 といった二重母音は、ひとつの母音としてカウントされます。したがって、appointment に含まれる母音は 、、 の三つなので、ap・point・ment という 3 シラブルの単語になります。
bottle (ビン) |
や に続く 、、 が、単独の母音のようになり、一つのシラブルを形成することがあります。例のように、bottle (ビン)は最後の が母音のように長く強く発音され、一つの独立したシラブルとなります。したがって、bottle は bot・tle という 2 シラブルの単語となります。他に、sudden (突然の)も同様に、 が一つのシラブルとなります。
英単語をシラブルに分解する際には、スペリングに惑わされないように気をつけてください。上記に述べたとおり、英単語のスペリングは発音と必ずしも一致しません。たとえば、スペリングにはあるけれど発音しない音「サイレント E」(例: time の e)は、母音ではないのでシラブルにカウントされません。逆に、y のように基本的には子音を表すアルファベットがスペルにあっても、symbol (シンボル)や rhyme (韻)のように、母音として発音される場合もあります。
■ 練習
それでは、英単語をシラブルに分解する練習をしてみましょう。プルダウンメニューをクリックすると、単語に含まれるシラブルと単語のシラブル数をごらんいただけます。
- pencil (鉛筆)
- situation (状況)
- analyze (...を解析する)
- produce (...を作る)
- permission (許可)
- stress (ストレス)
- understand (...を理解する)
- academic (学問の)
- occupation (職業)
- dozen (12 個)
シラブルは地味ですが、ストレス(アクセント)を理解するのに不可欠な知識です。次に辞書を引くときには、少し単語のシラブルも意識してみてください。
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