【チャンク】名詞チャンク: 後置修飾(3) 不定詞


今回は、名詞チャンクの後置修飾詞・不定詞について説明します。不定詞そのものには様々な用法がありますが、ここでは名詞を修飾する用法(=形容詞用法)にしぼって解説します。


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■ 名詞を修飾する不定詞



不定詞は、動詞や目的語を含むことで、修飾する名詞の振る舞いや役割を限定します。不定詞は修飾句(主語・動詞・目的語・補語以外の要素)であるにも関わらず、そのものが動詞や目的語を含むという入れ子的な構造になっているため、以前ご紹介した形容詞・分詞や前置詞にくらべると少し複雑に感じられるかもしれません。

不定詞は、前置詞 to とそれに続く動詞の原形+α(動詞の目的語や修飾句)で構成されています。(下図参照)

to 以降の不定詞句には、主語を除いた動詞・目的語・修飾句などのすべての文要素が含まれます。また、不定詞の動詞は必ず原形であることに注意してください。つまり、文全体の主語が he であろうが、時制が過去形であろうが、不定詞内の動詞の形は絶対に変化しない、ということです。


不定詞の表現する意味は、不定詞と修飾する名詞の関係によって、(1) 主語(2) 目的語(3) 補足的意味の三種類に分類できます。

次のセクションでは、これらの分類と用法を詳しく見ていきます。



■ 名詞チャンクの不定詞の意味



名詞チャンクの不定詞は、修飾する名詞と不定詞の関係によって意味が異なります。


 (1) 修飾する名詞=意味上の主語

修飾する名詞が不定詞の内容に対して意味上の「主語」であるとき、不定詞は名詞の振る舞いを限定します。つまり、その主語である名詞が「どのような振る舞いをするか」を説明します。たとえば、a secretary to work for Mr. Lee は、「Mr. Lee の下で働く秘書」となります。

不定詞が表現できる振る舞いは、現在または未来の内容に限られています。たとえば、上記の a secretary to work for Mr. Lee は、関係代名詞で言いかえると a secretary who will work for Mr. Lee となり、a secretary の未来の振る舞いを説明しています。一方、「Mr. Lee の下で働いていた秘書」という過去の内容は、不定詞では表すことができません。(この場合は、必ず関係代名詞を使います。(ex. a secretary who worked for Mr. Lee))

That actor must be the next to get the Oscar.
次(の人) / アカデミー賞をとる
His father hoped that his son makes a doctor to earn good money.
医者 / お金をたくさん稼ぐ



 (2) 修飾する名詞=意味上の目的語

修飾する名詞が不定詞の意味上の目的語である場合、その意味は二通りあります。

まず、不定詞がその名詞の使用目的を限定する用法があります。使用目的とはつまり、その名詞が「何のために使われるのか」です。たとえば、something to drink は、「飲むための何か」となります。

I'm looking for a book to read before going to bed.
本 / ベッドへ行く前に読むための
The car to drive to work should be good in mileage.
車 / 職場へ運転していくための


意味上の目的語とは、動詞が他動詞の場合に限りません。自動詞であっても、たとえば look at the boylive on campus のように、前置詞と組み合わせることで、その前置詞句に含まれる名詞は目的語として不定詞の修飾対象となります。このような場合には、不定詞内に前置詞を残すということに気を付けてください。

We have to book a hotel to stay at in Paris.
ホテル / パリで宿泊するための
Do you have something to write with?
何か / で書くための


この分類の不定詞のもう一つの意味は、修飾する名詞に対する必要な対処の限定です。つまり、修飾する名詞を「どのように扱う必要があるか」を表現する用法です。たとえば、books to remove は、「片付けるべき本」となります。

また、この意味でも自動詞+前置詞句の組み合わせの扱われ方は同じです。

We have to identify the problem to solve.
問題 / 解決すべき
The mother has three children to take care of.
三人の子供 / 面倒を見るべき



 (3) 不定詞=補足的意味

名詞が上記にあげたように主語あるいは目的語ではないばあい、不定詞は修飾する名詞の内容を補足的に説明しています。たとえば、time to stop smoking は、「たばこをやめる時」となります。

The seminar provides an opportunity to learn directly from prominent professors.
機会 / 有名な教授陣から直接学ぶ
This may be the occasion to understand this product better.
機会 / この製品についてよりよく理解する



■ 不定詞を練習するには



名詞チャンクの不定詞に慣れるには、前セクションの例に青字の日本語で添えたように「名詞 / ?するべき」という英語の順番で考えるくせをつけることが大切です。「ベッドに行く前に読むための本」という日本語から訳そうとするようでは、不定詞の構文が整うまでに単語の入れ替えやらで混乱して、スムーズに英語が出てきません。

たとえば、「A すべき B」というようなフレーズを何通りも考えて、それらを英語の不定詞の順番である「B / A すべき」と並べ替えたものを、書き出してみましょう。その英語の順に並べ替えられたものをどんどん英訳してみると、不定詞のリズムが身についてくるかと思います。



次回は、関係代名詞について解説します。




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コメント(3)

tantan :

こんばんは。いつもお世話になります。
今回の不定詞に関しては、普段あまり深く考えずに使っておりましたので、あらためて見直すよいきっかけとなりました。
ところで6/3 にup されている「後置修飾(1) 形容詞/分詞」のページで再び質問させて頂いておりましたが(コメント三つ目にあたる)、見て頂いているでしょうか。急がないのでお願いいたします。
お忙しいところありがとうございます。

Ricko :

こんにちは、tantan さん。お返事が大変遅くなって申し訳ありません。ご質問をいただいた記事にて回答させていただきましたので、ご確認ください。

これからも、どうぞよろしくお願いします。

Anonymous :

質問を見つけて&ご回答いただきありがとうございました。
ネイティブスピーカーと一緒に働いるのですが、このようなニュアンスの違いの質問に対しては、なかなか私が求めている返事が返ってきません。。。(なので聞くのも最近は躊躇)
Rickoさんに教えていただけて本当に感謝します。またよろしくお願いします。



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このページは、Rickoが2008年6月27日 23:00に書いたブログ記事です。

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