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お久しぶりです、すっかりごぶさたしています。この冬に長女を出産し、忙しさに取り紛れてすっかり更新が滞っていました。基本的に昼寝中の娘を片手に抱えての更新ですので、これからも遅々としたペースではありますが、今後ともよろしくお願いします。

※ コメントくださっているかたがた、返信が遅れてしまっていてすみません。できるだけ過去にさかのぼってちゃんとお返事したいと思っています。 ※

今回はブランク後のリハビリ的(?)な更新ということで、軽めの雑学記事です。私が妊娠中に出会った、子供にまつわる詩・歌をひとつずつご紹介したいと思います。お子さんをお持ちの方ならじんわりくること間違いなしです。

一つ目は"A Touch Of Love"という、作者不詳の詩です。

A Touch Of Love

You were six months old and full of fun,
With a blink of my eye, you were suddenly one.

There were so many things we were going to do,
But I turned my head and you turned two.

At two, you were very dependent on me,
But independence took over when you turned three.

Your third birthday; another year I tried to ignore,
But when I lit the candles, there weren't three, but four.

Four was the year that you really strived.
Why, look at you now, you're already five.

Now you are ready for books and for rules.
This is the year you go to school.

The big day came, you were anxious to go.
We walked to the bus going oh, so slow.

As you climbed aboard and waved good-bye,
I felt a lump in my throat and tears stung my eyes.

Time goes so fast it's hard to believe
That just yesterday you were home here with me.

And tomorrow when the bus brings you home and you jump to the ground
You'll be wearing your cap and graduation gown.

So I'm holding to these moments as hard as I can,
Because the next time I look, I'll be seeing a man.

- Author Unknown


(拙訳)ほのかな愛情

六カ月の赤ちゃんで、笑いを振りまいていたあなた
私が瞬きする間に、もう一つになっていた

一緒にいろんなことを楽しむはずの一年だったのに
振り返った時、あなたは二つになっていた

二つのあなたは私に甘えっぱなし
でも三つになったとたん、自立の道を歩み始めた

三つのお誕生日、もう一年はこのままでと願ったが
ろうそくをともした瞬間、それが三本ではなく四本だと気がついた

四つのあなたは驚くほどの成長ぶり
ああ、ほらもうあなたは五つになった

今やあなたは本と規則を受け入れる準備ができた
あなたは学校に行く歳になったのだ

ついにその日がやってきて、あなたは不安でいっぱいだった
私たちはのろのろとバスへと向かう

あなたがバスのステップに足をかけ、私にさよならと手を振る時
私ののどは詰まり、涙があふれてくるのを感じた

時間はなんと早く流れ
つい昨日まであなたとここで過ごしていた時間が夢のよう

そして明日バスがあなたを連れ帰り、あなたが地面に飛び降りたとき
あなたはキャップとガウンを身にまとっているだろう

だからこそ、私はこの一瞬一瞬を握りしめとどめておこうとするのだ
次にあなたを見やる時、私の前には一人前の男が立っているのだから

「五歳で学校?」と思われるかも知れませんが、これはいわゆる小学校(elementary school)ではなく、その前にある kindergarten を指しています。日本では kindergarten というと「幼稚園」で義務教育の枠からは外れていますが、アメリカの義務教育はこの kindergarten から始まるとされています。高等教育までの基礎的教育は K-12 (K to twelve) という言い方で大学以上(higher education)と区別され、教育改革(ちょうどオバマ政権が取り組もうとしているような)がいわれるときは、たいていこの K-12 が対象となります。

「キャップとガウン」は、もちろん卒業式(commencement)の象徴ですね。余談ですが、個人的にこの commencement という言葉が非常に好きです。commencement の元となっている動詞 commence には、「...を始める、開始する」という意味があります。ある一つのステージを終え、そこで得たものを糧に次のステージへ向かう、その区切りの儀式、という前向きな姿勢を感じさせる言葉だと思います。


さて、もう一つご紹介したいのは、ミュージカル『Mamma Mia』にも使われていた、ABBA の "Slipping Through My Fingers" です。「私の知らぬ間に娘は大きくなっていた」「ともにいたあの貴重な時間をただぼんやりと過ごしてしまった」「彼女をこのまま永遠に失ってしまう気がする」という、子供の成長とともに大きくなる喪失感を歌い上げています。メロディーも美しく、何度も聞きたくなる曲です。

"Slipping Through My Fingers"

※ 動画が表示されない場合は、以下のリンクから直接 youtube のページに飛んでご鑑賞ください。
http://www.youtube.com/watch?v=TJ2hoghGh24

Slipping Through My Fingers(歌詞一部抜粋)

Schoolbag in hand, she leaves home in the early morning
Waving goodbye with an absent-minded smile
I watch her go with a surge of that well-known sadness
And I have to sit down for a while
The feeling that I'm losing her forever
And without really entering her world
I'm glad whenever I can share her laughter
That funny little girl

Slipping through my fingers all the time
I try to capture every minute
The feeling in it
Slipping through my fingers all the time
Do I really see what's in her mind
Each time I think I'm close to knowing
She keeps on growing
Slipping through my fingers all the time


(拙訳)

学校鞄を片手に彼女は朝早く家を出る
上の空でほほえみを浮かべ、さよならと手を振りながら
私はいつもの悲しみがわきあがるのを感じながら、彼女を見送る
そしてしばらくの間やりすごすために座りこむ
彼女を永遠に失ってしまうという予感
彼女の世界に本当に存在することができずに
彼女となら笑いをいつでも一緒に楽しみたいのに
私の楽しい小さな娘

いつも私の指の間をすり抜けてゆく
私はすべての瞬間の
あらゆる思いをとどめておこうともがく
いつも私の指の間をすり抜けてゆく
私は本当に彼女の心に浮かぶことを理解しているのか
私が彼女の心に近づいたと思うたび
彼女はさらに成長していってしまう
いつも私の指の間をすり抜けてゆく

どちらも、子供の成長と自立を喜びつつも、寂しさを否定できない、万国共通の親の感傷を表現しきっているいい詩ですよね。こんな詩を読むと、寝かしつけでかかる三時間も、抱っこのしすぎで腕がしびれた一時間も、貴重なものに感じます。まあ、そういいつつもトイレで一人になると、ほっとするわけですが(笑)


・カテゴリー:生活・雑学

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この記事では、感謝祭(Thanksgiving)についてご紹介します。

(※ この記事には、YouTube の動画が含まれています。お使いのブラウザによっては、記事内に動画が表示されないことがあります。About の「アクティブコンテンツ(動画・フラッシュ)」の説明をご覧ください。)



■ 感謝祭(Thanksgiving)の起源と現在のお祭り



感謝祭(Thanksgiving)は、収穫シーズンに行われる北米のお祭りです。アメリカでは、11月の第4木曜日と規定されているため、日にちは毎年変わります。この日から新年までを、一般にホリデーシーズン(holiday season)と呼び、国中がにぎやかな雰囲気に包まれます。

感謝祭の起源は、アメリカへの入植の始まりにさかのぼります。スペイン、イギリスなどさまざまなヨーロッパの国々から大西洋を越えてやってきた入植者たちは、新天地での一年の無事と大地の恵みを神に感謝し、祝いの宴を設けました。そして、1614年現在のヴァージニア州にあるバークレープランテーション(Berkeley Plantation)にて、公式に記録に残っている最初の感謝祭が祝われたと伝えられています。

感謝祭の典型的なイメージは、イギリスからの入植者がネイティブ・アメリカンの人々に七面鳥などをふるまっている光景ですが、これはマサチューセッツ州のプリマス(Plymouths)で行われたといわれる感謝祭の様子だそうです。プリマスでは、入植者の人々が冬を越すための生活の知恵をネイティブ・アメリカンに学び、その感謝の印に宴を開いたといわれています。(こちらのほうを最初の感謝祭として記憶しているアメリカ人も多いです。)

感謝祭は、一年で最大の家族のイベント、日本でいうとお正月にあたります。この時期の飛行機は帰省の人々で最も混雑します。

感謝祭のシンボル、七面鳥は感謝祭の前日ホワイトハウスで主役となります。2羽の七面鳥が『大統領の恩赦(presidential pardoning)』を受け、ごちそうのテーブルにあがらずに平和な農場で余生を過ごすことを許されるのです。この式典の様子はテレビ中継され、大統領夫妻が(若干おびえつつ)七面鳥に恩赦を与えている様子を見ることができます。この習慣は、リンカーンのときからともトルーマンのときからとも言われています。ちなみに、2008 年の今年は "Pumpkin" と "Pecan" と名付けられた二匹が恩赦を受けました。



■ 感謝祭の食卓



感謝祭の食卓と言えば、やっぱり七面鳥の丸焼きですよね。

私は、二年前に友人と「せっかくアメリカにいるのだから」と、七面鳥の丸焼きに挑戦してみました。七面鳥のお腹に詰めるスタッフィングは、パン粉にクランベリー、野菜、コーンブレッドなど様々ですが、こちらは日本人らしくご飯を詰めてみました。

それでは、七面鳥の下ごしらえの様子からどうぞ。


Whole Foods で予約していた七面鳥。小さいのを買うつもりが、13 パウンド(約 6 キログラム)のものが手渡されました。あれ…


皮と身の間に、フレッシュハーブと塩をまんべんなくまぶしていきます。後ろに転がっているのは、七面鳥の首です。切り落とされてキレイに掃除されたお腹の中に入っていました。ちょっとシュールですね。


スタッフィングは、キノコたっぷりのリゾットです。


オーブンで約4時間ほどローストします。大きすぎるので、中にある棚は全部はずしました。


焼きあがったところ。足にフリルの飾りもつけてみました。

七面鳥の以外の定番メニューは、甘いパイ(アップルパイ、パンプキンパイ、ペカンパイなど)、アップルサイダー(濃いめのアプルジュースみたいな飲み物)、クランベリージャム(七面鳥につけながら食べる)、マッシュポテトグリーンビーンズの付け合わせなど。

七面鳥は普通の鶏の三回りはある大きさなので、一晩で食べきることは至難の業です。そんなわけで、この時期のお料理番組には、七面鳥の残り(leftover)を利用したレシピがよく紹介されています。私は、ポットパイ(シチューにパイ皮をかぶせて焼いたもの)や、鳥雑炊などにして楽しみました。

ちなみに、南部では七面鳥を専用のフライヤーで丸揚げにする Deep Fried Turkey が、伝統的な料理方法だそうです。ただこのフライヤー、事故も多いそうで、毎年感謝祭の翌日にはフライヤーによる火事のニュースが流されます。

"How to deep fry a Thanksgiving turkey"



■ 年一回の大セール『Black Friday』



感謝祭から新年までは、Holiday Season として最も商業的に活気づく時期ですが、中でも感謝祭翌日は Black Friday と呼ばれ、多くの小売店が一年に一回の大セールを行います。この日だけは、朝6時などの早朝に開く店が多く、お目当ての商品を手に入れるために2時や3時から人々が列を作り始めます。朝8時頃には、ほとんどの商品が売り切れ、売り場は閑散としてしまう、短期集中決戦のセールなのです。(どれくらい安いかというと、私の友人は大型プラズマテレビをたった $800で手に入れました…。)

■ 映画『アダムズファミリー・2』の劇中劇



映画『アダムズ・ファミリー2(原題:The Addams Family Values)』は、不気味な一家が主役(かつヒーロー)のブラックコメディで、映画『アダムズ・ファミリー(原題:The Addams Family)』の続編にあたります。もともとは、雑誌 The New Yorker に 1938 年から連載されていた一コマ漫画で、その後テレビ、映画への進出を果たしました。また、2009年にはブロードウェイでのミュージカル化が予定されているそうです。

この映画の中には、サマーキャンプの最終日に子供たちが感謝祭をテーマにした劇を上演する、という劇中劇のシーンがあります。

入植者(pilgrim)たちがネイティブ・アメリカンたちを友好の証に宴に招く、という感謝祭のシンボル的な有名な場面が、ブラックユーモアたっぷりの映画らしく、入植者の偽善者ぶりを際立たせるように描かれています。(入植者たちを演じるのは、キャンプでもいい子ぶりっ子のスノビッシュな子供たちで、一方のネイティブ・アメリカンたちは Addams 一家の Wednesday たちのような個性豊かな「外れ者」が演じる、という配役が効果的です。)

入植者の少女演じる Sarah Miller の偏見・差別がてんこ盛りのセリフと、Wednesday のクールな切り捨てっぷりをお楽しみください。


"The Play" ("The Addams Family Values" より)

以下は、セリフの一部抜粋です。

Pilgrim Girl (played by Sarah Miller):
Remember, these savages are our guests. We would not be surprised at any of their strange customs. After all, they have not had our advantages, such as fine schools, libraries, full of books, ...shampoo.
(聞いて、あの野蛮人たちは私たちのお客様よ。彼らのヘンテコな習慣に驚いたりしてはだめよ。何と言っても、彼らには私たちが持っている優れたものを持っていなかったんですもの。たとえば、ちゃんとした学校や図書館、たくさんの本、それにシャンプーなんか。)

Pilgrim Girl (played by Sarah Miller):
What a thoughtful gift! Why, you are civilized as we, except we wear shoes and have last names. Welcome to our table, our new primitive friends.
(なんて素敵な贈り物なんでしょう。まあ、あなた方は私たちみたいに文化的なんですね。私たちは、靴を履いているし、名字も持っていますけど。私たちの宴へようこそ、新しい未開人のお友達。)

Pocahontas (played by Wednesday Addams):
Wait. We cannot break bread with you. You have taken our land, which was rightfully ours. Years from now, my people will be forced to live in mobile homes on reservations. Your people will wear cardigans and drink highballs. We will sell bracelets by the road sides. And you will enjoy golf and eat hot hors d'oeuvres. My people will have pain and degradations. Your people will have stick shifts. The Gods of my tribe have spoken. Do not trust pilgrims, ... especially Sarah Miller. ...And for all of these reasons I have decided to scalp you and burn your village to the ground.
(待って。私たちは、あなたたちにごちそうになるわけにはいかない。あなた方は、私たちが正当な所有権を持っている土地を奪った。今日から何年も後には、私の民は保留地のトレーラーハウスに住むことを強いられるだろう。その一方で、あなた方は、カーディガンを着こんでハイボールをあおっているだろう。私たちが道端でブレスレットを売る一方で、あなた方はゴルフを楽しみ、熱々のオードブルを食しているだろう。私の民が痛みと困窮に耐えているときに、あなた方はドライブを楽しんでいるだろう。私の部族の神々はこう告げた。入植者たちを信用してはならない。とりわけ、Sarah Miller は。これらの理由によって、私はあなた方の頭の皮をはぎ、その村を焼き払うことに決めた。)


ちなみに、Wednesday にはポカホンタス(Pocahontas)という役名がついていますが、ニューイングランドの Plympouth で行われたいわゆる「最初の感謝祭」に登場するインディアンは、ディズニーの映画などで有名なあのポカホンタスではありません。「最初の感謝祭」が1620年以降に行われたのに対し、ポカホンタスは1617年にイギリスで亡くなっています。ポカホンタスは、ヴァージニア州居住の Powhatan 部族の出身ですが、ヴァージニアで公式に記録されている感謝祭(上記参照)にはネイティブ・アメリカンとの交流は記されていません。実際に「最初の感謝祭」に参加したのは、Wanpanoag というマサチューセッツ州に居住していた部族です。(おそらく、有名なポカホンタスの名前をここではワザと適当に使ったのだと思います。)


・カテゴリー:生活・雑学

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