【発音(応用)】ストレスの法則(10)《接尾辞とストレス》 |
今まで9回に渡って、ストレスについてご紹介してきました。前回までの記事(以下の関連記事参照)をご理解いただき、各単語のストレスの位置を正しく知っていれば、ストレスをきちんと表現できるはずです。しかし、もしストレスの位置がわからなかったら?ストレスのかかる位置にパターンはあるのでしょうか?
今回は、ストレスのパターンと、パターンを知るための鍵、接尾辞(suffix)の関係について解説します。
(※)ストレスは、アクセントとも呼ばれていますが、訛りの意味のアクセントと区別するためにこのサイトではストレスに統一しています。
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■ ストレスのパターンは何で決まる?
単語のストレスの位置を知るために、辞書を引く以外の方法はあるのでしょうか?
残念ながら、ストレスの位置を確実に知るための万能の法則はありません。マメに辞書を引くことで、またたくさん口に出して練習することで、少しずつ身に着けていくしかありません。
しかし、語のある部分に注目することで、ストレスの位置がわかる場合もあります。その部分とは、接尾辞(suffix)です。接尾辞(suffix)とは、単語の構成要素のひとつです。単語や語のパーツの最後について、意味を加えたり、単語の品詞を決定したりします。
たとえば、understandable の -able は接尾辞の例です。understand (理解する)という動詞の語尾について、品詞を形容詞に変えてしまいます。同時に、「...することが可能な」という意味を追加し、全体では「理解可能な」という意味になります。英語には、このような接尾辞がたくさんあります。
接尾辞の中には、ストレスのパターンと深く関係しているものがあります。これらの接尾辞は、パターンを覚えれば、相当する単語のストレスが自動的にわかります。
ストレスのパターンと関連づいている接尾辞の中から、いくつかを紹介しましょう。
■ 名詞の接尾辞のストレスパターン
-ity
-ity は、主に形容詞について名詞を作る接尾語です。-ity がついた名詞では、-ity の直前のシラブルの母音にストレスがかかります。たとえば、maturity (成熟)という単語では、-ity の直前にあるシラブル -tu- の母音 -u- にストレスがかかります。
以下は、-ity の接尾辞をもつ単語のリストです。太字はストレスのかかるシラブルです。
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-tion
-tion は、主に動詞の後について名詞を作る接尾語です。-tion がついた名詞では、-tion の直前のシラブルの母音にストレスがかかります。たとえば、appreciation (感謝)という単語では、-tion の直前にあるシラブル -a- の母音 -a- にストレスがかかります。
以下は、-tion の接尾辞をもつ単語のリストです。太字はストレスのかかるシラブルです。
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■ 形容詞の接尾辞のストレスパターン
-ic
-ic は、「...の、に関する、的な」といった意味の形容詞を作る接尾辞です。-ic のついた形容詞は、-ic の直前のシラブルの母音にストレスがかかります。たとえば、mechanic (機械の)という単語では、-ic の直前にあるシラブル -cha- の母音 -a- にストレスがかかります。
以下は、-ic の接尾辞をもつ単語のリストです。太字はストレスのかかるシラブルです。
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-ical
-ical は、-ic と同様に、「...の、に関する、的な」といった意味の形容詞を作る接尾辞です。-ical のついた形容詞は、-ical の直前のシラブルの母音にストレスがかかります。たとえば、electrical (電気の)という単語では、-ical の直前にあるシラブル -le- の母音 -e- にストレスがかかります。
以下は、-ical の接尾辞をもつ単語のリストです。太字はストレスのかかるシラブルです。
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動詞の接尾辞もたくさんありますが、例外が多く、残念ながらストレスパターンとはなかなか関連付けが難しいので、ここでは割愛しました。
さて、接尾辞とストレスパターンで重要なのは、基本の単語にある接尾辞をつけることでストレスが決まったパターンで移動する、ということです。この移動のパターンについて慣れれば、ストレスの位置をさらに予測しやすくなります。
次回は、この品詞とストレスの移動についてご説明します。(以前予告していたより、一回分長くなってしまいます…すいません。)
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