【雑学】"Auld Lang Syne" - 蛍の光



■ アメリカの新年



"I wish you a happy new year!"

年間最大行事のクリスマスが終わると、華やかなお祭り気分も少し落ち着いて、後は新年を待つばかり。 といっても、アメリカの新年のメインは元旦ではなく、大晦日です。 大晦日にはクリスマスやハヌカー(ユダヤ教のお祭り)のような宗教色は全くなく、友達や家族とパーティーを開いて、年が明けるのを騒ぎながら待つのが大晦日の過ごし方です。大晦日から新年にかけては、ニューヨークやラスベガスは、にぎやかに新年を迎えようとする人でいっぱいになります。そして、迎えた 1月1日には、家でフットボールのゲームでも見て静かに過ごします。

アメリカの新年 Happy New Year!

実は、西洋文化圏では 1月1日 に新年をお祝いするのは、ここ数百年でようやく定着した習慣です。 新年のお祝いそのものは、紀元前のローマでも行われていましたが、キリスト教文化がヨーロッパに広がってからは、宗教的意味のない 1月1日を祝うことが「異教徒的である」とされ、禁じられていたのだそうです。中世ヨーロッパでは、12月25日(キリストの誕生日)、3月25日(受胎告知(Annunciation)の日)、復活祭の日(Easter)(※1)を新年として祝うこともあったようです。感謝祭やクリスマスに比べて、アメリカ人のテンションが若干低いように感じるのも、そんな歴史的背景が影響しているのかもしれませんね。

ともあれ、新年を迎えると、感謝祭から 1 ヶ月以上続いていたホリデーシーズンも終わりを迎えます。アメリカにはそんな一年を締めくくる、定番の歌があります。日本でも有名な『蛍の光』、英語では "Auld Lang Syne" (※2)です。


(※1)復活祭(Easter)の日は、陰暦を取り入れているので毎年変わります。3月22日から4月25日の間のある日曜で、2007 年度は 4月8日です。
(※2)"Auld Lang Syne" は、英語の母音:[au]英語の子音:[l]英語の子音:[d] 英語の子音:[l]英語の母音:[ae]英語の子音:[ng] 英語の子音:[s]英語の母音:[ai]英語の子音:[n] または 英語の母音:[au]英語の子音:[l]英語の子音:[d] 英語の子音:[l]英語の母音:[ae]英語の子音:[ng] 英語の子音:[z]英語の母音:[ai]英語の子音:[n] と発音します。



■ カウントダウン定番の "Auld Lang Syne"



ニューヨークのタイムズスクエアに詰め掛けた人々も、ラスベガスの大通り "Strip" で大騒ぎしている人たちも、新年へのカウントダウンが始まると、歌いだす歌が "Auld Lang Syne" です。元は古いスコットランド民謡で、そのタイトルは "Old Long Since"、つまり『古きよき日々』という意味です。 18 世紀のイギリスの詩人 Robert Burns が正譜にしてから、英語圏で新年を迎える曲として定番になっています。 Robert Burns の詩は、日本の訳詩『蛍の光』とは少し違い、古い友人を迎えて酒をくみかわし昔を懐かしむ、という趣の内容です。一年を振り返りつつ、締めくくるにふさわしい歌ですね。

Robert Burns の "Auld Lang Syne" を訳してみました。(ところどころ意訳があります。訳の内容に保証はできません。)

Should old acquaintance be forgot,
and never brought to mind ?
Should old acquaintance be forgot,
and auld lang syne ?

(CHORUS)
For auld lang syne, my dear,
for auld lang syne,
we'll take a cup o'kindness yet,
for auld lang syne.

And surely you'll buy your pint cup !
And surely I'll buy mine !
And we'll take a cup o’ kindness yet,
for auld lang syne.

(CHORUS)

We two have run about the slopes,
and picked the daisies fine ;
But we've wandered many a weary foot,
since auld lang syne.

(CHORUS)

We two have paddled in the stream,
from morning sun till dine (dinner time) ;
But seas between us broad have roared
since auld lang syne.

(CHORUS)

And there's a hand my trusty friend !
And give us a hand o'thine !
And we'll take a right good-will draught,
for auld lang syne.

(CHORUS)

古い友人は忘れさり
二度と思い出さないものだろうか?
古い友人は忘れさり
古きよき日々も記憶から消えてしまうのだろうか?

(コーラス)
古きよき日々のために、親愛なる友よ、
古きよき日々のために、
友情の杯をもう一度かわそう、
古きよき日々のために。

さあ、もう一杯やるだろう
俺ももう一杯やろう
友情の杯をもう一度かわそう、
古きよき日々のために。

(コーラス)

俺たちはあの丘をかけめぐり
可愛いヒナギクを集めたものだ
だが長い道のりをさまよい続け今は足はすっかり弱り果てた
あの遠い古きよき日々

(コーラス)

俺たちはあの小川をボートでくだったものだ
夜明けから夕飯の時間まで
だが今俺たちを隔てる海原はごうごうと荒れ狂う
あの遠い古きよき日々

(コーラス)

さあ俺の手をとれ、我が親愛なる友よ
お前の手もここに
そして友情のためによき杯をあけよう
古きよき日のために

(コーラス)

友と別れ、単身未来へ向かう姿を歌う『蛍の光』と、過ぎ去った懐かしい友との過去を思い出す "Auld Lang Sain"。歌詞を見比べてみると面白いかもしれませんね。(ちなみに、『蛍の光』の 3、4 番は軍国主義的な内容となっているため、戦後はおなじみの 1、2 番のみが歌われるようになったそうです。)


ところで、"When Harry Met Sarry"(邦題:『恋人たちの予感』という、メグ・ライアンの主演する 1989 年のラブコメディ映画をご存知ですか?映画の最後に新年を祝うパーティーのシーンがあるのですが、そこでもう一人の主役の Harry が "Auld Lang Sain" についての長年の疑問を口に出します。

"I mean, 'Should old acquaintance be forgot'? Does that mean that we should forget old acquaintances, or does it mean if we happened to forget them, we should remember them, which is not possible because we already forgot?"

(だからさ、"Should old acquaintance be forgot" って、古い友人のことは忘れてしまうべきだって意味なの?それとも、たまたま忘れてしまったけど、ちゃんと思い出さなきゃいけないよってこと?もう忘れてしまったんなら、そこから思い出すなんて無理な話だけど。)

助動詞の should には、「...すべきである」という義務の意味と、「...するだろう」という推量の意味があるために、こんな疑問が出たんですね。もちろんこの疑問も映画のテーマ、男女の友情と愛情に関係しています。少し昔の映画ですが、メグ・ライアンがキュートな、とても素敵な映画です。三が日にでも、ぜひどうぞ。(家族向きではないかもしれませんが…。)


参照リンク:




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コメント(2)

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このページは、Rickoが2007年12月28日 17:00に書いたブログ記事です。

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