【チャンク】名詞チャンクに含まれる要素


前回の記事では、チャンク(=文より小さな、意味のある塊の単位)の種類について解説しました。チャンクは、英語のアウトプット、インプットの基礎となる単位となります。今回から、名詞チャンクについて改めて説明したいと思います。


・参考記事: スピーキング力の決め手は「小さな英語」



■  名詞チャンクとは?



「名詞」とはなんでしょうか?名詞は、「モノ」を表す単語のことです。私たちの身のまわりにある全てのものには名前があり、その名前は「名詞」と呼ばれます。また、抽象的な概念なども「名詞」として取り扱われることがあります。

「モノ」には、色や形などの性質、所属、数、などのさまざまな「属性」があります。これらの属性は、名詞に修飾詞をつけることで表現できます。名詞を核に、これらの修飾詞を追加したものを「名詞チャンク」と呼びます。「名詞チャンク」は、主語、目的語、補語として、文の構成要素の中心となります。

名詞チャンクは、修飾表現の種類が豊富で拡張の自由度が高いのが特徴です。この名詞チャンクの修飾表現を抑えることで、スピーキング力を格段に向上させることができます。

名詞チャンクの例 (※ 下線は核となる名詞)

  • green leaves
  • the whales which are about to go extinct
  • a lady in a black fur coat
  • the goal to achieve

それでは、名詞チャンクの要素である、修飾詞にはどのような種類があるのでしょうか?



名詞チャンクの要素の種類



英語の名詞チャンクには、日本語にはない特徴があります。それは、「名詞を前からも後ろからも修飾できる」ということです。

  • green leaves
  • the whales which are about to go extinct
  • three ladies in a black fur coat
  • the goal to achieve

上記の例で赤字で示した部分が一つ目の修飾方法、前から修飾するやり方、前置修飾です。これは基本的には日本語と同じですね。前置修飾には、三つの要素が含まれます。

  1. 限定詞 (a、the、this、my、...)
  2. 数詞 (two、three、...)
  3. 形容詞/分詞 (white、proud、sophisticated、surprising、...)

このうち、(1) の限定詞は、日本人がもっとも苦手とするところです。このサイトでも、しっかり解説していきたいと思います。

青字で示した二つ目の修飾方法は、英語に特有の後ろから修飾するやり方、後置修飾です。この後置修飾を使いこなせるかどうかが、チャンクの構成力、ひいてはスピーキング力の差につながります。名詞チャンクの後置修飾には、以下の八つがあります。

  1. 形容詞 + α
  2. 現在分詞 + α
  3. 過去分詞 + α
  4. 前置詞 + α
  5. 不定詞
  6. 関係代名詞
  7. 副詞
  8. 同格

(1) の形容詞と (2) の現在分詞、(3) の過去分詞は、二語以上になってしまった場合には、名詞の後ろから修飾します。一語の場合は、前置修飾になります。これは、もし二語以上の形容詞などを前につけてずるずると長くなると、核となる名詞がなかなか現れず混乱してしまう、という合理的な理由からです。たとえば、日本語では、「赤い帽子をかぶって一輪車に乗って、綱渡りをするサルのように全ての修飾が前からかかりますが、英語では "the monkey which is riding a monocycle on a tightrope, wearing a red hat" のように、長い修飾詞が名詞 monkey の後ろにまわります。


次回は、名詞チャンクの前置修飾について解説します。




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このページは、Rickoが2008年4月19日 22:00に書いたブログ記事です。

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