【チャンク】チャンクの種類



さらに細かいチャンクの種類



前回の記事では、英語でのオーラルコミュニケーションのコツが「文ではなく、より小さな単位であるチャンクをつなぎ合わせること」であるとご説明しました。このチャンクには、区切り方に二種類あります。

(1) 句・節単位の区切りによるチャンク
… 文法的な区切りによるチャンク。
例: the tall man (名詞句) / gave up (動詞句) / at the end (副詞句)

(2) 慣用的な区切りによるチャンク
... 拒絶、依頼などの慣用表現を区切りとするチャンク。句・節単位の区切りよりも大きいことが多い。
例: Do you mind if ... (依頼)/ I'm sorry, but ... (拒絶)

(1) の『句・節単位の区切りによるチャンク』については、さらに3種類に分けることができます。(1) 名詞チャンク、(2) 動詞チャンク、(3) 副詞チャンク、です。

(1) 名詞チャンクは、コアとなる名詞に前後から修飾がかかった塊です。主に、主語や目的語として使われます。この名詞チャンクは、修飾の種類がバラエティに富んでおり、表現の幅を広げるのに大切なチャンクです。日本語では名詞の修飾は常に前から行われますが、英語では後ろからの修飾方法もあります。この後ろからの修飾を自由に使えるようになることが、「英語で考える」ための第一歩です。

(2) 動詞チャンクは、動詞をコアとして、後に続く目的語や補語を含む塊です。基本的には、「動詞 + α」という組み合わせです。複雑に思える使役動詞や知覚動詞もまとめて、動詞チャンクとして扱います。

(3) 副詞チャンクは、上記の二つ以外の句や節になります。チャンクの大きさも使われ方もまちまちですが、上級者の書くライティングには副詞チャンクが上手に使われています。分詞構文や節(if や when など)も、このカテゴリに入ります。

以下に、句・節で区切るチャンクの分類を一覧にしました。

(1)
名詞チャンク
(a) 前方から修飾 (限定詞 +) (数詞 +) (形容詞/分詞 +) 名詞 the two white cats
(b) 後方から修飾 名詞 + 形容詞 + α cats as white as snow
名詞 + 現在分詞 + α cats sleeping on the couch
名詞 + 過去分詞 + α cats loved by everyone
名詞 + 前置詞 + α cats on the roof
名詞 + 不定詞 cats to live outside
名詞 + 関係代名詞 cats which like to be alone
名詞 + 副詞 cats upstairs
名詞 + 同格 cats the proud animals
(2)
動詞チャンク
動詞 (+ 目的語) (+ 目的語) (+ 補語) sleep
eat fish
make you happy
(3)
副詞チャンク
副詞 upstairs
outside
前置詞句 in the dream
on the roof
分詞構文 dreaming a dream of fish
having lived with a cat before
when cats sleep
if you have a cat

ひとつ理解していただきたいのは、これらのチャンクは完全に独立した存在ではなく、むしろ相互に依存している、ということです。名詞チャンクには不定詞や関係代名詞のように、動詞チャンクや副詞チャンクが含まれることもありますし、逆に動詞チャンクには名詞チャンクが目的語や補語として登場します。つまり、ひとつのチャンクをマスターすることで、別のチャンクの表現も広がるのです。


次回から、名詞チャンクの解説をはじめたいと思います。練習問題も含む予定です。




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このページは、Rickoが2008年4月14日 23:00に書いたブログ記事です。

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