【文法】It's 短縮形(1)


■ 短縮形とは?



短縮形(Contraction)とは、ピリオドやアポストロフィーを使って短縮された英単語やフレーズです。中でも、I'm や He doesn't のように、主語と助動詞を一語にした短縮形は、オーラルコミュニケーションでは頻出です。

短縮形(縮小形)

リスニングでは、短縮形が聞き取りを妨げる原因のひとつです。たとえば、should not だけを頭のかたすみにおいたまま shouldn't を聞いても、その音を should + not であると認識することができません。

短縮形を聞き取れるようになるためには、スピーキングでどんどん使ってみることが一番の近道です。口に出して使っているうちに、shouldn't の音も認識できるようになります。

今回から数回にわたって、短縮形とそのリスニング・スピーキングに役立つ練習方法を紹介していきます。



■ 短縮形はいつ使うの?



学校では積極的に使うように言われませんが、実際のスピーキングではむしろ短縮形のほうがよく使われています。以下は、アメリカのトークショーの女王 Oprah Winfley のショーに Mariah Carey が出演したときの会話の一部です。(赤字は短縮形です。)

(Oprah) When did you start to worry that you might be in the beginning phases of some sort of physical breakdown?
(Mariah) Before I even went out on a promotional tour for Glitter, my doctor said I needed a break because I have low blood-sugar. She said, "You can't be working yourself this hard, you need five days off." And I said I didn't have five days to take. I don't usually say "No" [to my career].
(Oprah) You didn't know how to say "No" for years? That will make you crazy!

(Oprah) 体調不良の始まりについて、気にかかり始めたのはいつごろなの?
(Mariah) "Glitter" の宣伝ツアーに出かける前にはもう、医師は血糖値が低いので、私には休養が必要だと言ったわ。医師には、『そんなに無理に働いてはいけませんよ。5 日間の休みをとりなさい。』と忠告されたの。休みを 5 日もとれない、と言い返したわ。私は(自分のキャリアに関しては)ほとんど『No』と言わないの。
(Mariah) 『No』の言い方を何年も知らなかったですって?そんなことしていたら、おかしくなってしまうでしょう!

ただし、フォーマルなスピーチに限っては、短縮形を避ける傾向にあります。これは、スピーカーが英語をゆっくり聞き取りやすいように話そうとしているためです。また、短縮しないことで、not などの意味を強調することができます。以下は、John F Kennedy の就任挨拶の一節です。(青字は、通常は短縮形になる部分です。)

In the long history of the world, only a few generations have been granted the role of defending freedom in its hour of maximum danger. I do not shrink from this responsibility--I welcome it. I do not believe that any of us would exchange places with any other people or any other generation. The energy, the faith, the devotion which we bring to this endeavor will light our country and all who serve it--and the glow from that fire can truly light the world.

(世界の長い歴史の中で、たった数世代のみに、今や危機に瀕している自由というものを守る役割が認められています。私は、その責任にひるむことはありません。むしろ、それを歓迎しています。私は、我々の誰も他の誰かや他の世代に代わりを頼むことができるとは思いません。我々がこの試みに必要とする情熱、信念、そして献身によって、我々の国とこの国を支える人々全てに火を宿すことができるでしょう。そして、その火の輝きこそが世界を照らすのです。)

一方、ライティングでは一般的に短縮形は避けたほうがよいとされています。短縮形はインフォーマルな語法なので、特に論文などのアカデミックライティングでは嫌われます。日記や手紙のようにプライベートな場では、スピーキングと同様に頻繁に使われます。



■ 短縮形のパターン



こういった短縮形は、どのように形成されるのでしょうか?短縮形には、主に以下の二つのパターンがあります。


  1. 助動詞 + not (例; isn't, shouldn't)
  2. 代名詞/疑問詞/名詞 + 助動詞 (例: I'm, you'll)

(1) の助動詞 + not は、be 動詞、should などの助動詞の後に not が続く場合の短縮形です。(2) の代名詞/疑問詞/名詞 + 助動詞は、I などの代名詞や what などの疑問詞、それに名詞と be 動詞などの助動詞が短縮されて一語になった形です。


次回から、それぞれの短縮形のパターンの解説と練習問題のご紹介を行いたいとと思います。




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このページは、Rickoが2008年1月22日 22:00に書いたブログ記事です。

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