【雑学】"12 Days of Christmas"(2)


(※ この記事には、YouTube の動画が含まれています。お使いのブラウザによっては、記事内に動画が表示されないことがあります。About の「アクティブコンテンツ(動画・フラッシュ)」の説明をご覧ください。)


前の記事 "12 Days of Christmas"(1) では、正統派のクリスマスソング "12 Days of Christmas" をご紹介しました。この歌は cumulative song(cumulative=「しだいに増加する」)といい、一番ごとに歌詞が一行増えていきます。culmulative song は、とても替え歌を作りやすい種類の歌なので、"12 Days of Christmas" にもたくさんの面白い替え歌があります。そのうちの二つをここでご紹介しましょう。


■ "12 Days of Christmas" の替え歌



(1)"12 Pains of Christmas"(クリスマスの 12 の苦痛)


まずは、"The first thing at Christmas that is such a pain to me, (私にとって苦痛なクリスマスにつきものの一番目のものは)" から始まる、クリスマスの時期に起こる「嫌なこと」を順番にあげていく替え歌です。自虐的ななユーモアがアメリカ人に大変人気があるようで、YouTube にも色々なビデオのバージョンがありました。

(※ お使いのブラウザで動画を見られない場合は、"12 Pains of Christmas"(YouTube )に直接アクセスしてください。)


12 個の「苦痛」をそれぞれ訳してみました。(全ての歌詞は、こちらのサイトでご覧いただけます。)

1st pain - Finding a Christmas tree
2nd pain - Riggin up the lights
3rd pain - Hangovers
4th pain - Sending Christmas cards
5th pain - Five months of bills
6th pain - Facing my in-laws
7th pain - The Salvation Army
8th pain - Kids
9th pain - Finding parking spaces
10th pain - "Batteries Not Included"
11th pain - Stale TV specials
12th pain - Singing Christmas carols

1 つ目の苦痛 - クリスマスツリーを探すこと(※1)
2 つ目の苦痛 - ライティングの飾り付けをすること
3 つ目の苦痛 - 二日酔い
4 つ目の苦痛 - クリスマスカードを書くこと(※2)
5 つ目の苦痛 - 五ヶ月に渡る請求書(※3)
6 つ目の苦痛 - 義両親と会うこと
7 つ目の苦痛 - サルベーションアーミー(※4)
8 つ目の苦痛 - 子供たち
9 つ目の苦痛 - 駐車場所を探すこと(※5)
10 つ目の苦痛 - 『電池は含まれておりません』(※6)
11 つ目の苦痛 - 古臭いクリスマス特別番組(※7)
12 つ目の苦痛 - クリスマスキャロルを歌うこと

(※1)多くの人が、毎年本物の木をクリスマスツリー専門業者から買って飾ります。
(※2)年賀状を全て手書きで書いている、と思ってください。
(※3)プレゼントを皆で贈りあうから大出費。
(※4)サルベーションアーミーは、イギリスに本部を置くキリスト教系のチャリティー団体です。この時期には、多くのデパートの前で、ハンドベルを片手に、お金を入れる赤いバケツを置いて、寄付をつのっている人々がいます。
(※5)住宅街で一晩駐車する場所を探すのは至難の業です。大抵は路上駐車になりますが、いい場所はなかなか確保できません。雪の降った後に除雪車がやって来て、車が雪まみれになった上、罰金を科せられることもあります。
(※6)電池で動くおもちゃには要注意。
(※7)つまり、お正月のテレビ特番です。

クリスマスは、多くのアメリカ人にとって一年のメイン家族行事ですから、楽しみの中にもめんどうなこともいっぱい、ということですね。日本人にとってのお正月と置き換えてみると、共感できるところがたくさんあります。



(2)"12 Days of Christmas" by Boymongoose and Indian Boyband


次の替え歌は、Boymongoose and Indian Boyband という、アニメのインド人ポップシンガーの曲です。インド人の「いかにもありそう」なイメージを、インドなまりの英語でコミカルに歌っています。

(※ お使いのブラウザで動画を見られない場合は、"12 days of Christmas" by Boymongoose and Indian Boyband"(YouTube )に直接アクセスしてください。)


12 日間にもらえる 12 個のプレゼントをそれぞれ訳してみました。

A totally insufficient dowry
Two noisy in-laws
Three butter chickens
Four Hari Krishnas
Five Indian games
Six IT graduates
Seven-Eleven workers
Eight Bollywood films
Nine telemarketers
Ten-minute yoga
Eleven syllable name
Twelve cricket ball tamperers

ぜんぜん足りない持参金(※1)
2 人のうるさい義両親
3 羽のバターチキン(※2)
4 人のハレ・クリシュナーの信者(※3)
5 本のインディアンのゲーム(※4)
6 人の IT 専攻の卒業生
7-11 (セブン・イレブン)のスタッフ
8 本のボリウッド映画
9 人の電話の営業者
10 分間のヨガ
11 音節ある名前
12 人のクリケットのボールいじりの違反者(※5)

(※1)有名な話ですが、インド人はお嫁入りの際にたくさんの持参金を期待されているようです。インドでは、持参金が足りないといって殺人事件が起こるほどだそうです。
(※2)バターチキンとは、ガラムマサラやコリアンダーで煮込んだカレーのようなインド料理です。
(※3)このインディアンは、一般には Native American と呼ばれるアメリカ先住民族の方のインディアンです。
(※4)ハレ・クリシュナーとは、ヒンズー教系の新興宗教です。60 年代ごろからアメリカにも広がり、ヒッピー文化やポップカルチャーにも大きな影響を与えたそうです。
(※5)インドの国民的スポーツ・クリケットでは、選手がボールを審判の許可なしにこすったりすることは競技違反とされています。


ご紹介したパロディ的な替え歌の他にも、Destiny's Child の "8 Days of Christmas" のように、クリスマスがテーマのポップソングのオリジナルとなったりもしています。"... Days of Christmas" というタイトルを見かけたら、"12 Days of Christmas" の歌詞と比べてみてはいかがでしょうか。




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このページは、Rickoが2007年12月21日 15:00に書いたブログ記事です。

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