【発音(応用)】ストレスの法則(3)《続・1シラブルの単語》 |
前回は、1シラブルの単語のストレスの重要性について説明しました。この記事では、いよいよ1シラブルの単語のストレスのかけかたについて解説します。2シラブル以上の単語にも共通するところなので、よく読んでくださいね。
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■ シラブル内のストレスはどこにかかる?
一口に「シラブルにストレスがかかる」といっても、シラブルにはいくつも音が含まれていますよね。では実際には、どのようにシラブルのストレスを表現するのでしょうか?
お手持ちの英和辞典でお好きな英単語をひいて、ストレス記号のあるシラブルで、どの音の上にストレス記号がついているか調べてみてください。……いくつか見比べてみると、ストレス記号は必ず母音の上にふられていることに気づきます。
ストレス記号は、ストレスのかかるシラブルだけではなく、その中のどの音にストレスがかかるかを示しています。そう、あるシラブルにストレスがかかるとき、そのストレスは実際はシラブルの核である母音にかかっているのです。
子音ではなく、母音にストレスがかかる理由は、母音と子音の定義を知ればわかります。母音は「発音時に息の流れをさえぎらない音」です。唇の形は変わっても、声帯の震えとしっかりした息の流れで、響きのある音になります。これに対し、子音は「発音時に唇・舌・歯などで息の流れをとめたり、さえぎったりしながら出す音」です。
自然な息の流れが音になる母音は、子音に比べて、常により響きのある、より大きな音となります。また、子音はその音の出し方によっては、音の長さやピッチを調節できないものもあります。音の長短・高低を表現するには、息がさえぎられず、響きのある母音が適しているのです。
したがって、「あるシラブルにストレスがかかる」とは、「そのシラブルに含まれる母音にストレスがかかっている」、さらにいえば「そのシラブルの母音が長く・高く・大きく発音される」ということを意味します。
なお、辞書によっては(このサイトでもそうですが)、ストレス記号が音の上ではなく、発音記号中に含まれていることがあります。この場合は、ストレス記号の後に続く最初の母音にストレスがかかる、という意味になります。
■ シラブルのストレス
英語の母音には、、 などの短母音と、、 などの二重母音の二種類があります。ストレスがかかるシラブルに含まれているとき、それぞれストレスをかける方法が少し違います。
1. 短母音の場合
短母音を含むシラブルは、その短母音を長く、ピッチを高く発音します。
2. 二重母音の場合
二重母音は、短母音と同じ扱いの一音ではありますが、発音されるときには短母音と違い、一音内で音の高低が発生します。辞書をひくと、ストレス記号は二重母音の最初の音の上についています。つまり、二重母音を含むシラブルは、二重母音の最初の音をピッチを高めに発音し、二番目の音はやや低めに発音します。長さは、そもそも二重母音というだけで長めなので、特に気にしなくてかまいません。
■ 1シラブルの単語のストレス
1シラブルの単語は、単語全体で一つしか母音がありません。つまり、ストレスは必ずこの唯一の母音にかかることになります。(英英辞典では1シラブルの単語にストレス記号が示されていない場合もありますが、この暗黙のルールがあるためです。)
1シラブルの単語の場合、母音のピッチを高くとるよう意識して発音してください。長さはそれほど気にする必要はありません。
以下は、1シラブルの単語のリストです。前の項を参考に、単語の母音にストレスをかけて発音して練習しましょう。
1. 短母音
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1. 二重母音
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いかがでしたか?次回は、2シラブルの単語のストレスについて解説します。
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