【チャンク】名詞チャンク:前置修飾(2) 数詞 |
前回の記事では、名詞チャンクの前置修飾の一つ、限定詞について解説しました。今回は、前置修飾の二つ目の要素である数詞について説明します。数詞は、名詞の数を表現する修飾詞です。数詞には単純な数字だけではなく、さまざまな表現が含まれます。
・「チャンクって何?」と思った方はまずこちらをお読みください。: スピーキング力の決め手は「小さな英語」
・チャンキングの関連記事一覧: カテゴリ: チャンキング
■ 数詞:名詞の「数」を決定する修飾詞
数詞は、その名の通り「数を表す言葉」です。two、three、といった単純な数字(基数)の他に、「...番目の」をあらわす序数など、さまざまな表現があります。数詞は、限定詞と形容詞/分詞の間に挟まれ、数えられる名詞を修飾します。数詞が「1」以上の場合は、名詞が複数形になります。
少数、分数の読み方には慣れておきましょう。特に分数は、1/2 (a half) と 1/4 (a quarter)、3/4 (three quarters) が日常生活において頻繁に登場します。(1/2(a half)の用法については、名詞 half (2) の「数量・単位で使う half」も参考にしてください。)
また、アメリカ英語の俗語的表現ですが、「無数」と呼ばれる数詞 umpteen、umpty、zillion があります。これは、形こそ基数のようですが、特定の数字をあらわすわけではなく、「数えきれないくらい、無数の」という大げさな表現に使われます。特定の数字をあらわさないので、zillion (million や billion と同形)に対して three zillions のように、基数を前につける表現はできません。通常、限定詞 a をとって、a zillion ... のように使います。
最後に、特殊な表現として以下にあげた a few や some などは、ぜひ覚えて積極的に使いましょう。これらの表現は、数字にくらべて血の通っている感じが与えられます。日常会話では、同じ「2」でも、ビジネスライクな two よりも a couple of のほうが好まれます。(例: two nights → a couple of nights)
a few、some、several は、状況に応じて 2 から 10 くらいまでの数字も表わせる、という不思議な表現ですが、これらの三つは少ない順に a few、some、several と並べられます。a few students というと、「少ない」、some students というと「多くもないけど、少なすぎもしない」、several students では「やや多め」といったように、話し手にとっての「多い・少ない」の印象が反映されます。
普通の数字 (Cardinal Number) |
限定詞 a とは一緒に使わない。(× a two cats) |
zero、one、ten、twenty-one、hundred、thousand、... | ten dollars |
小数 (Decimal) |
小数点を point、小数点以下の数字はスペルアウトする。限定詞 a とは一緒に使わない。 | 0.3 (point three)、1.25 (one point two five)、... | 0.3 percent |
分数 (Fraction) |
1/2、1/4 はそれぞれ、half、quarter と読む。それ以外は、分子を普通の数字、分母を序数で読む。 | 1/2 (a half)、3/4 (three-quarter)、4/17 (four seventeenth)... | 1/2 pounds 3/4 cups |
序数 (Ordinal Number) |
序数の前の限定詞には、通常 a は使わない。 | first (first)、second (2nd)、third (3rd)、fourth (4th)、tenth (10th)... | first kiss tenth anniversary |
無数 (Empty Number) |
無数とは、具体的な数字ではないが、数詞と同じように扱って「たくさんの」という意味になる誇張的表現。無数の前には基数はつかない(× three zillions)。 |
umpteen (無数の) umpty (多数の、何十もの) zillion (無数の、数え切れないほどの) |
umpteen questions zillion critics |
特殊な表現 | single 以外には限定詞は使わない。 | single (たった一つの) |
single currency a couple of nights several parcels some cats any help |
数詞は人やモノだけではなく、単位も修飾します。アメリカの単位については、以下の記事が詳しいので、参考にしてください。
・アメリカの単位(1) 《重さ》
・アメリカの単位(2) 《液体の容量》
・アメリカの単位(3) 《長さ・距離》
・アメリカの単位(4) 《非液体の容量》
・アメリカの単位(5) 《面積》
■ オマケ: 数詞の書き方
数詞を使って書くとき、スペルアウト(英語で書くこと)するのか、数字で書くのか迷ったことはありませんか?正式ではありませんが、数詞の表現には以下のような慣用的なルールがあります。数字を扱う際に、参考にしてください。
1. 「0」から「9」の間の数詞は、通常スペルアウトする
- 「0」から「9」はスペルアウト(zero, one, ... nine)
- 「10」から「12」は好みで (ten/10, eleven/11, twelve/12)
- 「13」以上は数字で書く (13, 14...)
2. 「0」から「9」の間の数を先頭に二語以下で書ける場合は、スペルアウトすることがある
「0」から「9」の間の数字と hundred、thousand、million などの組み合わせで、二語以下であらわすことができる場合、しばしばスペルアウトされます。
- ○ They're raising three hundred chickens at their farm.
- ○ They're raising 300 chickens at their farm.
- ○ This research took 350 days to complete.
- △ This research took three hundred fifty days to complete.
3. 文のはじめの数字は、スペルアウトする
たとえば、500 people が文の先頭におかれるとき、「500」はスペルアウトしなくてはなりません。(新聞記事のタイトルなどを除きます。)
- × 500 people gathered to protest.
- ○ Five hundred people gathered to protest.
数詞をスペルアウトするかどうかは、文章の種類による傾向があります。文学作品などではスペルアウトのほうが多く、科学や経済関係の読み物では数字のほうが好まれる傾向にあります。
次回は、前置就職の最後、形容詞/分詞について解説します。その次では、前置修飾のまとめと練習を行います。
<< 【チャンク】名詞チャンク:前置修飾(1) 限定詞 | ホーム | 【フレーズ】#21: get on one's soap box >>
関連記事 |
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 【チャンク】名詞チャンク:前置修飾(2) 数詞
このブログ記事に対するトラックバックURL: https://bin.xrea.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/167
▼コメント入力フォームを表示する/隠す
コメントする